「最近のゲームはちょっと道外れたら勝てない敵が出てくる」という主張に感じたこと
僕の好きな言葉に「負けて当然、勝って偶然」というのがある。本来将棋の世界に当てはめて使われる言葉なんだけど、汎用性が高いので色んな場面でこれを使ってきた。高校総体とか、パチンコとか、それこそ色々。
そんな感じなので、趣味の一つであるゲームでも、負けて悔しいと思いそうになったら、慌てて上記の呪文を唱えるのだ。そうすると不思議と「ま、所詮データですわ!」と割り切れるのである。
ゲームには序盤で絶対に敵わない敵が出る作品も多かったし。そういう、最初は絶対勝てないヤツに後々リベンジをするのもカタルシスの一つだったりもするし、最初は勝てないからどうやって迂回するかを思案するのもまた楽しい。
それで今回は、この絶対に勝てない敵に対しての意見を目にしたので紹介してみたいのである。
「ゲームの開発者は、絶対に勝てない敵を配置することがリアルだと思い込んでいる」?
先日、5ちゃんねるに「最近のゲーム『ちょっと道外れたら絶対勝てない強い敵出てくるぞ、ほらリアルっしょw』」というスレッドが立っていた。スレ主は本文で「それいる?」とだけ書き込んでいる。
ゲームを遊んできた人たちなら「最近のゲームっていつの話してんだ」って思うぐらい、昔からこの傾向があったことを理解できることだろう。おっさんになると平気で『ファイナルファンタジーVII』とかを「最近のゲーム」呼ばわりするので、もしかしたらミドガルズオルムにボコボコにされた記憶を持ったおっさんの立てたスレッドかもしれない。
序盤から戦えるけど、絶対勝てない相手というのは色んなゲームに登場する。もしも仮に、このスレ主が昔からゲームで遊んでいて、序盤では勝てない敵にこれまで遭遇しなかったのなら非常に幸運だったことだろう。
僕なんか、スコーピオンザク、アルケオダイノス、カサドレスといった具合に、ちょっと頭の中の記憶を辿るだけで、序盤に出るにしちゃ強すぎる雑魚敵の名前はいくつも浮かんでくるけどなぁ。
逆に最近のゲームになって、そういう理不尽な強さの敵に遭遇する機会は少なくなったように感じるレベルだ。スレ主は、「絶対勝てない敵を配置することがリアルなんだと、ゲームの開発者が思い込んでいる」と思い込んでいるみたいだけど、別にこれは今に始まったことじゃない。そして僕は、最初は勝てない敵ってのも全然いてもらって構わないと思う。
ゲームにだって理不尽なことがあっていいのだ
スレッドでは、スレ主に賛同する意見は少ない。多いのは具体的に理不尽な強さの敵が序盤から出ちゃうゲームのタイトルを挙げる書き込みだ。
「橋を渡ると死ぬ」「海岸沿いは危険」
「オープンワールドでちょっと道外れて探検してたら強い敵に遭遇して必死に逃げたわ」
と、こんな感じで特に橋を越えるとか、海沿いを歩くとかは今でも文字を見るだけで嫌な予感がするゲーマーって多いのではないだろうか。『新桃太郎伝説』とか橋を越えたら敵のランクも変わるし、その橋でのエンカウント率が異様に高いから緊張感も凄かった。ボロボロの状態でやっと新しい村を見つけたけど、そこに行くには橋を渡らないといけない状態とかもあって。
海沿いは海沿いで水棲系のモンスターが出やすいし、大体そういう敵って丘のヤツより癖がある。オープンワールドって序盤からどこまでも進めるけど、そうしてるといつの間にか退路も立たれてて、見たこともない怪物に一撃でやられるのがオチ。でもそれがいいんだよね。
オープンワールドで序盤から無茶するの大好き。ちょっと頑張って敵からステルスで逃げ回りながら、少しだけ強い武器を手に入れるのって最高だ。まあ、最近は装備するにもレベル制限があるから、手に入れたところでまだ使えないってことも多いんだけども。
序盤では絶対に勝てない敵って、初見だとどこに出るか分からない。そこが面白いんだよね、
全部のゲームにそういう敵を出してほしいって思うこともある。結局そういうモンスターが一番記憶に残るし。