愛猫のため巨大ジャングルジムを造ったエイドリアンさん(画像は『The Sun 2021年9月25日付「CAT FIGHT Cat-loving couple who built massive £1,500 jungle gym for their beloved pets fear it will be torn DOWN after complaints」(Credit: SWNS)』のスクリーンショット)

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飼い猫にとって自由に行動できる外の世界は魅力的でもあるが、事故や病気など多くの危険にさらされることも事実だ。交通事故により愛猫を亡くした経験を持つイギリス在住のある夫妻は、彼らを危険から守るため自宅の庭に猫用の巨大ジャングルジムを造った。しかし近隣住民からの苦情により、取り壊すことになるかも知れないという。『The Sun』『The Mirror』などが伝えている。

英ブラックプールに住むエイドリアン・マーシャルさん(Adrian Marshall、60)と妻ロレインさん(Lorraine、42)は今年6月、自宅の庭にペットの猫のため巨大な専用のジャングルジムを造った。

しかし9月初め、地元自治体の計画執行官から「この建物は許可を得ていないため、取り壊さなければならない」と告げられたという。

これにショックを受けたロレインさんは、今の心境をこのように明かしている。

「胸が痛みます。これが使えなくなることを猫たちにどう言えばいいのでしょう。魂が削られそうです。これは時間をかけて造ったものだし、猫たちも気に入っています。これを撤去すれば私たちは相当なダメージを受けるでしょう。もうどうしたらいいのかわかりません。」

「家の前は交通量の多い通りで、猫たちを外に出すわけにはいきません。だからと言って家の中に閉じ込めておくのは彼らにとって残酷なことです。そんなの健康的ではないし、新鮮な空気が必要なのです。」

そして過去に交通事故に遭った愛猫たちについてこう語った。

「私たちがはじめて迎えた猫の“チャーリー(Charlie)”は1歳の時にスピード違反の車に轢かれて亡くなりました。2014年には14歳の“アルフィー(Alfie)”が、2020年10月には4歳の“フィービー(Phoebe)”も亡くなっています。2017年に事故にあった20歳の“ウィンストン(Winston)”だけはかろうじて助かりました。」

「フィービーを亡くしたのは、外に出してから5分後のことでした。ある男性がドアを叩いて知らせてくれましたが、フィービーはもう命が尽きて、体中血だらけでした。私たちはフィービーが生まれた時からずっとそばにいたので、あの瞬間に『もう耐えられない、もう十分だ』と思ったのです。」

そんな経験からマーシャル夫妻は地元ブラックプールタワーのジャングルジムを参考に、猫のための慈善団体「Furry Tails feline welfare」の助けを借りて1500ポンド(約225000円)の猫用ジャングルジム(キャティオ)を造った。それは木と鶏舎用の金網でできており、マーシャル家で飼われている10匹の猫たちが安心して遊ぶことができるものだった。

ロレインさんは、このキャティオについて次のように明かしている。

「永久的な建造物ではないし、家の増築でもないので計画申請をする必要はないと思っていました。でも計画執行官は、とにかくこれを壊す必要があると言うのです。理由を聞くと『苦情があったから計画申請をするべきだった』と言われたのです。」

また夫のエイドリアンさんも以下のように述べた。

「このキャティオは私がデザインしました。20年前にブラックプールタワーで息子と一緒にパーティーに参加した時、『なんて場所なんだ!』と思ったのを覚えています。それに触発されて造りました。猫たちももちろんこれが大好きです。夕方6時か7時になって外灯が点灯しハエが飛び交うと、猫たちは大騒ぎするのです。道行く人はみんな立ち止まって写真を撮るんですよ。一日に2回は『すごいね!』と声をかけてもらえるほど上手くできているのです。」

「私たちの生活は猫が全てです。誰にも迷惑をかけず自分たちの小さな世界で猫たちと幸せに暮らしています。」

「今回のことはとても不公平だと思っています。私たちは誰も傷つけていません。この家は1994年に購入したもので、それからずっとここに住んでいます。私はブラックプールで2つの郵便局を経営してきました。私は30年間この地域に貢献してきたのです。」

夫妻はこのキャティオが取り壊されるのを防ぐためにオンライン署名活動を行い、800人以上の署名を集めたそうだ。

ブラックプール自治体によると、計画許可は増築および建物の一部を変更する際に必要だが、玄関先のポーチやロフト、ガレージ、地下室など小規模な改造や増築は計画許可を必要としない場合が多いという。

自治体の担当者は「私たちはマーシャル夫妻を訪ねて話を聞きました。庭に建てられた構造物には計画許可が必要であり、これは遡及して申請することができるとアドバイスしました。また適切な代替案があるかどうかを確認するために、またお会いしたいとお伝えしました」と話している。

画像は『The Sun 2021年9月25日付「CAT FIGHT Cat-loving couple who built massive £1,500 jungle gym for their beloved pets fear it will be torn DOWN after complaints」(Credit: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)