嫉妬は、他人に対しての 自分勝手な格付けや競争から生まれる
コロナの感染拡大、経済活動自粛による困窮、他人とコミュニケーションできないことからくる孤独感や閉塞感、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、私たちは、いま多くの生きづらさを感じさせる事柄に取り囲まれています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、できるだけ快適に生きていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)が発売されました。同書の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の発刊を記念してそのエッセンスをお届けします。心がスーッと軽くなる珠玉のアドバイスにお付き合いください。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。
自分一人が勝手にイライラしたり、ムカついたりしている
そもそも嫉妬というのは、「自分の脳内で発生している、他人に対しての自分勝手な格付けや競争」でしかありません。自分一人が勝手にイライラしたり、ムカついたりしているのです。
でも、気に入らない相手にイライラしたりする気持ちはわかります。イラッとするマイナスの感情が生まれることは止められませんが、自分の脳内の幻想を、自力である程度コントロールすることは可能です。
頭の中で模擬戦を繰り返し、嫉妬に苦しむ低レベルの自分から、そうした感情を超越した上位レベルの自分を思い描いてみましょう。コツがつかめれば、ネガティブな感情をポジティブな感情で上書きすることができます(これについては、のちほど詳しく説明します)。
たとえば、私のライバルを同業の精神科医のE先生だと仮定してみましょう。
E先生と私は、卒業後の臨床経験も同じようなものです。臨床能力としてもそんなに実力は変わらないように思えます(*1)。
なのにE先生は、多くのファンから支持され(*2)、たくさんの本を書いている売れっこです。様々なメディアでもてはやされて(*3)、さぞ、お金も稼いでいるんだろうな(*4)。羨ましい! 自分だって同じようなプロフィールなのに、どうして私はそうではないのか?
さて、この話を振り返ってみましょう。