朝4時から行列、抽選券は現地配布…若者襲う都の悲惨なワクチン接種体制
27日、東京都はJR渋谷駅近くの「区立勤労福祉会館」に若い世代を対象とした予約不要のワクチン接種会場を開設した。都が予定していた会場の接種規模は1日200人程度だったが、想定を超える接種希望者が来訪。
会場では、受付開始時刻の11時50分の遥か前の早朝から若者が列をなし、午前7時半過ぎに受付を終了する事態に。
東京都は公式HPで《早い時刻からのご来場は極力ご遠慮いただきますようお願いいたします》と呼び掛けていた。しかし各メディアによると、実際は午前4時時点ですでに15人が並んでいて、7時半には300人に達したという。さらに、Twitter上では“6時の時点で100人以上が並んでいた”と証言する人も。
小池都知事はこの状況を受け、同日、記者団に対して「密だった。現場で工夫してほしい」と述べたという。
“ワクチンを打ちたい”という気持ちから、猛暑の中朝早くから渋谷に向かった若者たち。熱中症や感染のリスクを冒して列を作ったものの、その思いはいとも簡単に打ち砕かれた。
この混乱に対し、ネット上では、接種を受けられなかった若者に対する同情の声が集まっている。
《この暑い盛りかわいそうだな》
《無理だとわかっていても,こんなに並んだ若者達が可哀想》
《行列作って密になっているのは、本末転倒な感じもするけど…》
《もしかして東京の若者って舐められてる?普通にバカにされててかわいそう》
《東京の若者、百合子に弄ばれてかわいそう》
また、「NHK NEWS WEB」の取材に対し、都の担当者は「接種をためらう若者が多いということだったので、ここまで並ぶとは想定できなかった」と語ったという。東京都は20日に成立した補正予算でも、接種をためらう若年層向けに10億円規模の「ワクチン接種促進キャンペーン事業」を行うとしていた。
若者のワクチン忌避が取り沙汰されるが、早朝から並んだ人たちの多くは「打ちたくても打てていない」人々だろう。年齢制限により若者がワクチン接種を受けられない自治体は少なくなく、実情と乖離する東京都の思惑に対しても、呆れの声が相次いでいる。
《若者が悪いの結論ありきで施策されたってことですか…》
《若者が打たないんじゃないんだよ、打てないんだよ。》
《地域によってはまだ予約も出来ないのに「若者は打つ気がない」とかどこまで若者のこと舐めてんだって感じ》
さらにスポーツ報知によると、この状況を受け、都は28日から抽選制での受付に切り替えると発表。午前9時から10時半の間に、会場で抽選券を配布し、11時半に都のツイッターなどで抽選結果を発表するという。
「不要不急の外出は自粛を」と呼びかける中、接種できるかもわからない抽選券をもらうために、わざわざ渋谷まで若者を呼び寄せるということだろうか? 行政の無茶苦茶な対応に、若者はふりまわされてばかりだ。