『花束みたいな恋をした』より。麦と絹が同棲する多摩川沿いの部屋
 - (C) 2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

写真拡大

 菅田将暉&有村架純が、ドラマ「最高の離婚」「カルテット」などで知られる人気脚本家・坂元裕二のもと主演を務めたラブストーリー『花束みたいな恋をした』(1月29日公開)が間もなく公開を迎える。とある晩に終電を逃したことから出会った男女の5年間を追う本作は、東京都調布市周辺をメインに展開し、スタッフがこだわり抜いたロケ地も見どころの一つ。その一部を紹介する。

「京王線明大前駅」で運命的な出会い

 京王線、明大前駅で終電を逃した麦(菅田)と絹(有村)が偶然に出会ったことをきっかけに始まる本作。2人が終電ギリギリに改札へ駆け込むシーンは、実際に終電後の京王線明大前駅で撮影された。学生街としても有名なこの地では他にも、2人がデートの行き帰りで電車に乗っているシーンや、駅前で待ち合わせしているシーンなどが撮影された。

まるで世界に2人きり!恋の始まりは真夜中の「甲州街道」で

 終電を逃した麦と絹が驚くほどの共通点に話を弾ませ、明大前から麦の住む調布まで甲州街道をひたすら歩くシーン。缶ビールを飲みながら、好きな音楽や小説など話は尽きず、人気のない真夜中の甲州街道沿いをのんびりと歩く時間は、まさに青春。誰かと「この世界で二人きり」になったような気分を体感できる名シーンとなっている。

辛苦を分かち合った「多摩川」での5年間

 あっという間に恋に落ちた麦と絹が同棲を始めた場所は、多摩川沿いの部屋。駅から遠く立地条件に少々難ありだが、広いベランダ、そこから見える多摩川の景色を気に入った二人は、ここで新生活スタート。脚本にはベランダから正面に川が見えることや部屋の間取りまで、かなり詳細な住宅情報が記されており、ここに記された設定を基に撮影場所も決定した。スタッフが多摩川の上流から下流までくまなくロケハンし、条件ぴったりの物件を探し当てたという。麦と絹が歩きながら焼きそばパンを食べるシーンも多摩川沿いのもので、麦と絹にとってこの地は楽しいことも辛いことも分かち合うかけがえのない場所になっている。

 麦と絹が過ごした場所は、台本では数行にも満たないようなシーンであっても、キャストとスタッフが足を運び、二人の過ごした時間を丁寧に収めた。メガホンをとった土井裕泰監督は「これだけのロケ撮影を実現できたのは制作部の尽力のおかげ」とスタッフに賛辞を送っている。(編集部・石井百合子)