ホンダ新型「シビック」が世界初公開! アメリカホンダのイケてる車5選

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日本では販売されていない北米ホンダのモデルを紹介

 日本時間で2020年11月18日、北米ホンダから11代目となる新型「シビック」が世界初公開されました。シビックはアメリカで「アコード」、「CR-V」と並ぶ主力商品のひとつで、初代の発売以来、長く人気を保っています

新型「シビック」と日本未発売のアメリカホンダクルマたち

 ホンダは1982年に他メーカーに先駆けてアメリカに工場を設立し、現地生産を開始。アメリカ製ホンダ車の第1弾は2代目アコードで、その後、日本のラインナップとは異なるアメリカ独自のモデルを、現地で企画・生産をおこなうようになりました。

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 現在も数多くの北米専用モデルをはじめ、日本では売っていないモデルが販売されており、さまざまなニーズに対応。

 そこで、新型シビックとともに、アメリカで販売されていて日本にはないホンダモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●シビック

外観はキープコンセプトながら洗練された印象の新型「シビック」

 1972年に登場した初代シビックは、次世代のFFコンパクトカーとして開発されました。小さな車体ながらFFを採用したことで広い室内空間を確保し、優れた走行性能と経済性で大ヒットを記録。

 その後、アメリカへ輸出されると、クリーンな排出ガスと低燃費を武器に日本と同じく大ヒットし、ホンダの本格的なアメリカ進出の礎になりました。

 現行モデルとなる10代目シビックは2015年に北米で発表され、2017年にはセダン/ハッチバック/タイプRが日本でデビューしましたが、日本市場ではセダン需要の低迷もあり、2020年8月でセダンは販売終了となっていました。

 今回、お披露目された11代目シビックセダンのプロトタイプは、先代からキープコンセプトのスポーティな外観なっています。

 低くて広いスタンス、低いベルトライン、洗練されたディテール、空気抵抗を考慮したキャビンなど、歴代のホンダデザインから得たインスピレーションを元にデザインされました。

 内装では、インパネまわりの意匠を一新することで、ドライバーの前方視界向上や、新しい9インチフルHDディスプレイオーディオをはじめ、複数の新しい技術を導入。

 先進安全装備も、乗員と歩行者の衝突保護などが強化された最新の「ホンダセンシング」を採用するなど、アップデートされています。

 なお、11代目シビックの詳細なスペックは明らかになっていませんが、2021年春の終わり頃に2022年モデルとしてまずシビックセダンを発売する予定で、その後、スポーティな「シビックハッチバック」、パフォーマンス重視の「シビックSi」、そして超高性能モデルの「シビックタイプR」が登場すると発表されています。

●シビッククーペ

日本で売っていないのがもったいないほどスタイリッシュな「シビッククーペ」

 日本のみならず海外でも減少傾向にある2ドアクーペですが、なかでも比較的コンパクトで安価なモデルは絶滅危惧種といえます。

 アメリカではこのコンパクトなサイズのクーペは一定のニーズがあり、ホンダは1992年からアメリカ製の「シビッククーペ」を販売してきました。

 かつて日本でもアメリカから輸入して販売していましたが、2000年に終了しています。

 北米のシビッククーペは現行モデルで6代目にあたり、10代目シビックと共通のプラットフォームで開発されました。

 タイプは大きく分けてスタンダードモデルと高性能版の「Siクーペ」があり、ボディはスピード感をアピールする流麗なフォルムで、いかにもスタイリッシュなクーペといった印象です。

 なお、Siはブラックのホイールやボディアクセント、リアスポイラーなどが装備され、より一層スポーティな外観となっています。

 ボディサイズは全長4503mm×1800mm×1389mmと、国内のシビックハッチバックと同等なサイズで、エンジンは、174馬力(米規格、以下同様)の1.5リッター直列4気筒ターボと158馬力の2リッター直列4気筒自然吸気、Siには205馬力を誇る2リッター直列4気筒ターボを搭載し、トランスミッションはCVTと6速MTが設定され、Siは6速MTのみです。

 なお、新型シビックにクーペが設定されるかは、不明です。

●オデッセイ

国内モデルより更にビッグサイズでゆとりある室内の北米「オデッセイ」

 1980年代は多人数乗車できるクルマといえば、1BOXバンをベースとしたワゴンが一般的で、1990年代になると現在に通じるミニバンが登場しますが、FR駆動のモデルが主流だったことから室内の広さは特筆するほどではありませんでした。

 そうしたなか1995年にホンダ初代「オデッセイ」が発売されると、乗用車のシャシをベースにFFを採用したことで、低床の広い室内を実現し、6人乗りもしくは7人乗りのミニバンとして大ヒットを記録。

 この初代オデッセイは1994年にはアメリカでも発売され、人気となりますが、より現地のニーズに対応するため、1998年に登場した2代目からは北米専用のモデルへと移行しました。

 現行モデルの北米オデッセイは2017年に発売された5代目にあたり、外観は日本のオデッセイとはまったく異なる独自のデザインを採用

 ボディサイズも全長5210mm×全幅1994mm×全高1740mmとひとまわり以上大きく、内装では7人乗りと8人乗りが設定され、装備の違いで5つのグレードを展開。

 エンジンは全グレード共通で280馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒を搭載し、トランスミッションは10速ATのみです。

 先進安全技術も全車標準装備され、上級グレードではレザー表皮のパワーシートが1列目2列目シートに採用されるなど、プレミアムなグレードも設定されています。

スタイリッシュなSUVにピックアップトラックも人気!

●パスポート

17年ぶりに復活したミドルサイズSUVの「パスポート」

 ホンダは1993年にいすゞと業務提携の契約を結び、相互にOEM車を提供しており、そのなかの1台が、1993年に北米専用モデルとして発売されたSUVの初代「パスポート」です。

 2代目まではいすゞ「ウィザード」がベースのモデルでしたが2002年に販売を終了し、2019年のはじめに登場した現行モデルの3代目は、ホンダ独自のモデルとして17年ぶりに復活を果たしました。

 外観では、マットブラックのグリルやバンパーによりスポーティさとタフさを演出し、SUVらしい力強さを印象づける20インチホイールを採用。

 ボディサイズは全長4840mm×全幅1995mm×全高1835mmとかなりの大柄ですが、これでもアメリカではミドルサイズです。

 内装では、モダンで洗練されたデザインを追求し、クラストップの広い居住空間と荷室を実現しています。

 エンジンは全グレードで最高出力280馬力の3.5リッターV型6気筒を搭載し、9速ATが組み合わされ、駆動方式は4WDと2WDを設定。

 4WDシステムには路面状況に合わせて前後輪の駆動力配分を緻密に電子制御する「i-VTM4」を採用。砂地、泥道、雪上など各シーンに最適化した4つの走行モードが選択可能で、さまざまな状況下で高い走破性と走行安定性を発揮します。

●リッジライン

スタイリッシュなフォルムとシャープなフロントフェイスが特徴の「リッジライン」

 ホンダは1965年に、高性能なDOHCエンジンを搭載したピックアップトラックの「P700」を発売しましたが販売は極端に低迷し、その後は軽トラックをメインに販売するようになり、国内ではピックアップトラックの生産から撤退しています。

 一方で、ピックアップトラックが日本の軽自動車のように定番人気車種となっているアメリカで、2005年に北米専用モデルの「リッジライン」を発売。開発から生産まですべてアメリカでおこなわれました。

 現行モデルは2016年に発売された2代目で、シャシはピックアップトラックでは一般的なラダーフレームではなくモノコックシャシを採用したダブルキャブで、他のホンダ車とイメージを共通するフロントフェイスなど、スタイリッシュなルックスです。

 エンジンは280馬力の3.5リッターV型6気筒を搭載し、9速ATが組み合わされ、駆動方式は2WDに加えて4WDを設定するなど、悪路走破性も考慮されています。

 ボディサイズは全長5334mm×全幅1996mm×全高1798mmと、日本の道路事情では大きすぎますが、北米ではパスポートと同様でミドルサイズにカテゴライズされるサイズです。

 また、荷台の下に施錠できる収納スペースの「インベッド・トランク」が設置されているなど、リッジラインならではのユニークな装備となっています。

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 現在、各国産メーカーは世界中に生産拠点があり、その国や地域に合った車種を展開しています。

 日本では売っていない海外専用モデルだけでなく、なかにはかつて日本で売っていたモデルをそのまま継続して生産・販売するケースもあるなど、面白いモデルがたくさんあります。

 こうした取り組みは海外メーカーもおこなっていますが、日本のメーカーの方がはるかに数多くラインナップしており、それだけ現地のニーズを重要視しているということでしょう。