子どもが嫌がれば全て虐待? “虐待の境界線”議論

写真拡大

11月9日に放送されたニュース番組「ABEMA Prime」(ABEMA)で、“誤認保護”を巡る児童相談所の実態、“虐待の境界線”について議論が進められた。

番組はこの日、兵庫県明石市で起きた、虐待の事実がなかったにも関わらず、児童相談所(以下、児相)に子どもが一時保護された「誤認保護」にフォーカス。児相が「疑わしきは保護」を掲げ、迅速な対応が増える一方で、「誤認保護」が起きてしまうことについて、「長女の保護は『誤認である』」と訴える山本あやこさん(仮名)と、元児相職員で認定NPO法人児童虐待防止協会理事長の津崎哲郎さんがリモート出演し、“虐待の境界線”をテーマに議論を展開した。

冒頭、VTRを見た番組MCのカンニング竹山は「虐待されている子どもを児相は助けることは必要だと思う。ただ、子育ては、その家庭の親と子の関係であって、親がどういう教育をするかによる。一つの物差しで測れないものっていっぱいあると思う。どこを境界線ととらえるかが、非常に難しいところ」と、もどかしさを語る。

「虐待」と「しつけ」の違いについて意見を問われると、2人の子を持つテレビ朝日の平石直之アナは「さすがに手を上げることはないが、子どもに対して強く言うことはたまにある。何度言っても聞かないとだんだんエスカレートもしていく一方で、本人にとっても耳の痛いことだからなかなか聞こうともしない。同じ悩みを抱えている人ってたくさんいると思う。子に対し、良かれと思って言っているつもりが、周りから見たら虐待だと思われることもあると思うと大変」と、持論を展開。

続けて「『児相が虐待事件にもっと介入しろ』と一般的に言われる一方で、児相の強制力で親を引き離すことができると考えたときに、適切に行使しないと逆に振れて、『誤認保護』のようなことが起きてしまうのでは」とコメント。さらに、同じく息子を持つジャーナリストの堀潤氏は「必要以上にきつく言ってしまう場合に、今後は“諭す”という形や“包み込む”形とか、多様な子育ての環境を作っていくことがカギだと思う」と自身の見解を述べた。