桶狭間の戦いで、今川軍の総大将・今川義元を討ち取ったのは、劣勢だった織田信長軍の毛利良勝と伝えられている。戦国時代の流れを変えたとされる、歴史的な大勝利だった。

それから460年。2020年10月4日にツイッターへ投稿された一枚の写真が、まるで敵軍の大将を討ち取った武将の姿のようだと話題になっている。令和の時代に大将首とは、いったいどういうこと...?

こちらのツイートをご覧いただこう。

今や有料になったポリ袋に大切に納められてはいるものの、兜の飾り(立物)がどうしても飛び出している。投稿には「どう見ても『敵の大将首を討ち取った人』になってしまう」というコメントも添えられている。

鰐軍曹(@WANIGUNNSOU)さんが投稿したこのツイートには、なんと14万4000件もの「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(10月9日昼現在)。

ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「コンビニ感覚で大将首取るな笑」
「隠しきれてないですね(笑) 敵の大将の首討ち取った人爆笑しました」
「物干しざおも買って片側の先に兜をぶら下げて担ぎましょうw」

いったいどこの戦で、手柄を挙げられたのだろう? Jタウンネット記者は、さぞかし歴戦の士であるはずの鰐軍曹さんに、恐る恐る聞いてみた。

「何度か2度見されました」


鰐軍曹(@WANIGUNNSOU)さんのツイートより

Jタウンネット記者の質問に、鰐軍曹さんの答えは、意外にも以下の通りだ。

「この兜の飾り(立物)は、先日浅草で開催されたビクトリーショーという、ミリタリー系の物だけが集まるフリーマーケットで見つけたものです。
このイベントでは世界各国の軍服や装備品、エアガンなどが売りに出されるのですが、いわゆる第二次世界大戦以降の近代戦争の物がほとんどで、その中で突然武将の兜の飾りが売られているのを発見し、100円という驚きの安さもあって購入しました。
このビニール袋には兜そのものが入っているのではなく、兜の飾り(立物)と、同じ日に買った軍服などが入っているのですが、立物があまりにも大きく飛び出してしまったため、まるで兜そのものが入っているように見えた、という訳です」

残念ながら、戦で討ち取った、名のある武将の首などではなく、ミリタリー系フリーマーケットで、100円で購入した兜の飾りだったようだ(がっかりすることはないか......)。

どう見ても怪しいが、無事に持ち帰ることができたのだろうか。鰐軍曹さんに聞くと、

「尖がった部分が通行人にぶつかったりしないように、袋ごと抱えて持ち歩いていたのですが、やはり胸元に大きな金色に輝く兜の飾りがあるのは異質だったらしく、何度かすれ違う方に2度見されました」

と振り返った。職務質問を受けなかったのは、幸運だったかもしれない。

ツイッターで反響があったことについては......、

「実際に昔の戦で敵の大将の首を討ち取った場合、どのようにして持ち歩くのか教えてくれた方がいて、純粋に勉強になりました。 あと『ビニール袋に首を入れられる敵将が不憫』といったリプライがあって、たしかにその通りだなと思って、笑ってしまいました」