国立台湾博物館鉄道部パーク(園区)

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(台北中央社)日本統治時代に台湾総督府鉄道部の施設として台北に建設された建築物を整備した国立台湾博物館鉄道部パーク(園区)が長年の修復を終え、7日に一般公開される。6日の開幕式典に出席した蔡英文(さいえいぶん)総統はあいさつで、同パークは台湾の近代史の起点であり、建築物の修復によって有形文化財を保存するとともに、工芸技術など無形文化財も伝承していると言及。新型コロナウイルス対策の新生活が始まる中、消費活動や国内旅行を楽しむ際に、「台湾の豊かな文化財に触れることも忘れないで」と来訪を呼び掛けた。

同パークは台北駅の西側にある国定古跡「北門」のそばに位置する。面積約1.7ヘクタール。園内には、国定古跡の鉄道部庁舎、食堂、八角楼、電気室、工務室、戦時作戦指揮センターに加え、市定古跡の台北工場、清朝の機械局遺跡の計8つの歴史的建造物が残る。鉄道部庁舎は1918年に第1期工事が完了した。

同パークは目玉である古跡に加え、鉄道部庁舎2階の展示スペースには1970年代の台北駅付近の街並みを再現した模型を設置。常設展では、昔ながらの券売機や乗車券、鉄道信号機、駅弁などが展示される。急行列車「莒光号」の車両を運び入れ、実際に座席に座って乗車気分を味わえる展示も取り入れた。列車が線路を走る音も聞こえるという。

李永得(りえいとく)文化部長(文化相)は、園内では清朝から日本統治時代、戦後までの台湾の鉄道発展の歩みを見られると紹介。子供向けのエリアもあるため、「親子で楽しんでほしい」とアピールした。

同パークが十数年の修復を経て一般公開されることについて、園内の展示企画を担当する林一宏さんは、古跡修復における台湾の進歩を表すものだと胸を張った。

(鄭景雯/編集:荘麗玲)