(株)高砂堂(TDB企業コード:580069320、資本金1000万円、大阪府大阪市西区西本町1−7−7、代表渥美裕久氏)は、6月27日に事業を停止し、事後処理を岡田良洋弁護士(大阪市中央区北浜2−5−23小寺プラザ12階、弁護士法人関西法律特許事務所、電話06-6231-3210)に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1891年(明治24年)創業、1959年(昭和34年)11月に法人改組した和菓子製造販売業者。100年以上の歴史を持つ老舗「御菓子司 高砂堂」として、「名代きんつば」を主力に「栗赤飯まんじゅう」や「いちご大福」「くろどら」「花びら餅」などの通年定番品、「涼」などゼリーを利用した季節ごとの和菓子の製造販売を手掛けていた。本店をはじめ、百貨店や商業施設に店舗を設置するほか、空港や劇場内に売店を設置するなどで2001年6月期には年売上高約5億円を計上。2010年には主力の「名代きんつば」が第1回大阪産(おおさかもん)名品認定を受けていた。

 しかし、その後は景気低迷の影響で贈答需要が減少したほか、食の洋風化などの影響で売り上げはジリ貧に陥り、2013年6月期の年売上高は1億円を下回る水準にまでダウン。この間、不採算となっていた百貨店や商業施設の店舗を閉鎖して催事販売へ切り替えるほか、2012年9月には社有不動産の売却による有利子負債の圧縮などで合理化を図っていた。近年も減収傾向に歯止めがかからず、慢性的な赤字決算が続くなか、2020年に入り新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請などを受けて、売上高が急激に減少したことから資金繰りが悪化。事業継続が困難になり、今回の事態となった。

 負債は現在調査中。

 なお、屋号「御菓子司 高砂堂」の使用権は、別会社に譲渡する予定となっている。