By Florian Olivo

運動には、記憶力を向上させる効果などがあるとわかっており、「運動は脳に良い影響を与える」とされています。そんな運動には「ゲームを上手くする効能」もあるとカナダのマギル大学の研究チームが報告しています。

Exercise Improves Video Game Performance: A Win-Win Situatio... : Medicine & Science in Sports & Exercise

https://journals.lww.com/acsm-msse/Abstract/publishahead/Exercise_Improves_Video_Game_Performance__A.96395.aspx

Can Exercise Improve Video Game Performance? | Newsroom - McGill University

https://www.mcgill.ca/newsroom/channels/news/can-exercise-improve-video-game-performance-319567

研究チームは、被験者である20人の若いゲーマーに、「激しい運動」を行った後にゲームをプレイしてもらい、運動がゲームの腕前にどれくらい影響を及ぼすかを調査しました。被験者はそれぞれ「タバタ式」としても知られる高強度インターバルトレーニングを行った後、リーグ・オブ・レジェンドで「撃破したターゲットの数と攻撃精度を競う」カスタムモードをプレイしてもらい、その成績を記録しました。また、対照群として、日を改めて同じ被験者に運動時間と同じだけ休息を取ってもらった後にゲームをプレイしてもらい、その成績も記録しました。



By Soumil Kumar

被験者にプレイしてもらったカスタムモードでは、ターゲットは「1回の攻撃で倒せる」という設定になっており、研究チームは被験者の攻撃精度を調べるため、1プレイあたりの「1回の攻撃で倒せなかったターゲットの数」をカウントしました。その結果、運動後にプレイした場合は平均1.39体、休息後にプレイした場合には平均2.44体のターゲットが1回の攻撃で倒せなかったことが判明。この結果は、休息後のプレイでは攻撃精度が低かったため、1回の攻撃で倒せなかったターゲットの数が多いことを示しています。また、1プレイあたりの撃破ターゲット数の平均は、運動後が121.17体、休息後は111.38体でした。

以上の結果から、研究チームは「運動はビデオゲームのパフォーマンスを改善する」と結論付けています。また、体調が良くない被験者や、運動に対して意欲的ではない被験者のパフォーマンスも改善したため、研究チームは「被験者が実験中に運動に対してどんな感情を示そうと、パフォーマンスの改善効果とは関係がない」と述べています。



By FlamingoImages

ビデオゲームも運動も余暇に行うものであるため、「ビデオゲームに熱中すると運動に時間を割かなくなる」という批判がかねてから存在しました。研究チームを率いたマーク・ロイグ博士は、「今回の研究結果が、座りがちなゲーマーに運動をする動機を与えてくれると思います」とコメント。研究チームは今後、「高強度インターバルトレーニング以外の運動もゲームのパフォーマンスを高めるのか」「リーグ・オブ・レジェンド以外のゲームでもパフォーマンスが改善する効果が確認できるのか」という疑問を調査する予定です。