あいのり「初代ラブワゴン」、ボロボロの状態で箱根に放置されていた
男女がピンクのワゴンに乗り込み、真実の愛を探し旅に出る――
みなさんはフジテレビで放送されていた恋愛バラエティー番組「あいのり」を覚えているだろうか。カップル成立から結婚まで至ったという出演者もおり、深夜放送でありながらファンも多い人気番組だった。
1999年の放送開始から20年経った今、出演者たちを乗せていた「初代ラブワゴン」の現在の姿が改めて注目を集めている。なぜか、芦ノ湖畔に面した箱根園(神奈川・箱根町)にボロボロの状態で放置されているのだ。
なんで箱根に(画像はぴよちゃん@piyochan_pika提供)
派手なピンクのボディに見覚えのある地球のマーク...。フロントガラスの内側には説明書きがあり、
「この車は、1999年10月から2000年5月、番組スタートしたお台場からバンコク(タイ)まで使用した1代目のラブワゴンです」
と記載されている。
これは間違いなくあいのりのワゴン、しかも初代ということだ。
20年の時を経たためか、劣化が目立つ。ペイントの色ははげ、黒ずんだ錆のようなものが車体を覆い、車検も切れている。ラブワゴンとしての役目を終え、もう愛を探し求める若者を乗せることはないのだ...。
ツイッターでは数年前から箱根園での目撃情報が寄せられ、徐々に劣化していった様子が確認できる。そんなラブワゴンの姿に対しては、
「なんでこんな所に放置してあるの...これを夢中で見てた世代は悲しむよ」
「でも、ナンバープレートがついているということは今だに税金を支払っているということですね...」
「平成が終わり役目を終えて眠ってる説」
といった声が寄せられ、「切ない」と感じる人も少なくないようだ。
ラブワゴンの写真を投稿したぴよちゃん(@piyochan_pika)さんによれば、中にはメンバーの愛称などが書かれたダンボールが置いてあったという。
なぜ箱根に初代ラブワゴンが置いてあるのか...。Jタウンネットは2019年9月19日、箱根園を経営するプリンスホテルの担当者にその理由を聞いた。
ワゴンは「フジテレビショップ」の名残
担当者によれば、初代ラブワゴンは5年ほど前からこの状態だという。
置かれたきっかけは2008年8月に箱根園にオープンした「フジテレビショップ&シアター」だ。番組グッズの販売や映像に合わせてシートが揺れる体験アトラクションを設置していたが、のちに閉店。
その時展示されていたラブワゴンだけが箱根園に残り、現在は箱根園ホール近くに置いてあるという。
車内には説明が(画像は桃さんのブログより)
担当者によれば、ラブワゴンはフジテレビから借りている状態。これだけが残された理由について、
「初代の本物ですから、SNSなどで見ていただければ、ということでしょうね」
と話している。車体のメンテナンスなどはしないのか聞いてみると、
「借りているものですから、できないですよね」
とのこと。ここにいつまで置いておくかというのも分からないという。
かつてあいのりに出演していたタレントでブロガーの桃さんは18年6月のブログで、ほかの元出演者とともにここを訪れたことを報告している。車内には自身が描いたダンボールもあったようだ。窓ガラス付近に貼られたカップルたちの写真については、
「すべて色あせておりました...。笑」
とコメント。20年の月日の長さを感じたようだ。