作家・又吉直樹による恋愛小説「劇場」を行定勲監督が映画化。山粼賢人×松岡茉優をキャストに迎え、2020年に公開される。

作家・又吉直樹が芥川賞受賞作品となった「火花」より前に書き始めていた作家の原点とも言える恋愛小説「劇場」(新潮社)。「恋愛がわからないからこそ、書きたかった」と又吉が語る2作目は、劇作家を目指す主人公永田と、彼に恋をし必死に支えようとする沙希の、生涯忘れることができない7年間の恋を描いた恋愛小説の映画化が決定、2020年に公開される。

監督を務めるのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』『ナラタージュ』などで知られる行定勲。脚本は、2009年「まほろば」で第53回岸田國士戯曲賞を受賞し、行定監督とは『ピンクとグレー』(2016)に続き映画では2作目の脚本担当となる蓬莱竜太。

主演は山粼賢人。演劇に身も心も捧げながら、実生活では社会や周囲の人々とうまく協調できない不器用な青年・永田を、撮影前に何度も監督とエチュードを重ね役を作り上げた。人生初のひげを生やしたという山粼は、これまでに見たことのない表情で挑んでいる。ヒロインは松岡茉優。葛藤や迷いを抱えながらも、純粋に彼を愛そうとする健気な沙希を、儚くも愛しく演じている。山粼・松岡ともに行定監督とは初タッグとなる。撮影は6月初旬から始まり、演劇の聖地・下北沢を中心に都内で行われ、山粼・松岡と監督、そしてスタッフが一丸となり、繊細でドラマティックな数々のシーンを撮影中だ。

山粼賢人 コメント

初めて本を読んだ時、人としてダメな部分ばかりですが、表現者としてとても共感できる弱さを見せる永田をすごく魅力的だと感じました。

自分にとってとても挑戦的な作品でしたが、以前からご一緒したかった行定監督のもと、今しか出せない自分のものを全部出せているのではないかと感じています。

撮影を通して、とても魅力的な原作にさらに映画としての魅力を盛り込んだ作品になるのではないかと思っています。

松岡茉優 コメント

沙希役の松岡茉優です。

同い年の山粼賢人君とは実は昔共演しているのですが、直接一緒にお芝居するのは初めてです。

永田と沙希について、撮影中何度も2人で話し合いました。

2人とも脚本に心底惚れており、意見が違ったことはありませんでした。

とても繊細な本で、私たちの演じ方が変わってしまうと、話の到着すら変わってしまいそうで。

行定勲監督が若い私たちを導いてくれました。

全国の恋する、愛する、はたまた情で離れられなかったり、何かのきっかけを失っているパートナー達が救われる映画になると思います。

完成を楽しみにしていてください。

行定勲監督 コメント

小説『劇場』はあまりにも身に覚えがある場面ばかりで胸をかきむしるような想いで読んだ。

私は又吉さんが書いた主人公がまとう空気をどうしても撮りたくなった。

ザラザラとした、夜が明ける頃に感じる切なくて淋しい空気を。

下北沢、渋谷、井の頭公園、そこかしこで錆つきそうな青春が吹き溜まっている。

山粼賢人と松岡茉優という稀代の若く鋭い感性と共に、自戒を込めてどうしようもない男と女の在り方を映画として映し出せたらと思います。

原作者:又吉直樹 コメント

「劇場」書影

『劇場』という小説は、恋愛というものの構造がほとんど理解できていない人間が書いた恋愛小説です。

恋愛小説と呼べるものになっているかすらもわかりません。ただ、若くて未熟な二人がともに過ごしたどうしようもない時間を必死で書いているうちに、作家のわずかな能力を超えて濃密な風景が幸運にも立ち上がったと感じています。

ちょっと表現まわりくどいですか?「こいつなに一丁前に作家ぶっとんねん」と思いました?

でも、本心なんです。それくらい自分にとって、大事な作品です。

信頼している行定勲監督、そして山粼賢人さん、松岡茉優さんをはじめ、魅力的な俳優陣によって映像になることを嬉しく思っています。

普通、原作者はシンプルな言葉で感謝を綴るくらいが丁度いいと思うのですが、思わず長文になってしまい恥ずかしいです。そして、言い訳しているせいで、より長くなってしまいました。すみません。

絶対観に行きます!

公式HP:https://gekijyou-movie.com/

2020年全国ロードショー

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