景色と鉄骨感がたまらない! ハマる“鉄骨女子”もいるとか 撮影/北村史成

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 昭和33年12月に開業。飛躍的に経済成長を遂げた東京の、いや日本の象徴として、昭和、平成の時代と、街の移り変わりを見守ってきた東京タワー。そんな“シンボル”が、昨年12月に60回目の誕生日を迎えた。つまりは還暦だ。

【写真】「昇り階段コース」でメインデッキへ! 記者が身体を張った600段チャレンジの模様

還暦だけど、まだまだ現役!

 開業翌月からテレビ放送を支えてきた東京タワーだが、平成23年の地上デジタル放送への移行に伴い、各テレビ局の電波送信は順次、東京スカイツリーに移転。そして唯一、東京タワーから電波を送っていた放送大学も昨年、衛星放送に移行。テレビの“お仕事”を終えたのだった。

「『TOKYO FM』や『InterFM897』など、ラジオの電波送信は行っていますし、今もスカイツリーの代役としての大切な役割も担っています。それに観光面、エンターテイメントにもさらに注力しています。まだまだ現役です!」

 とは、株式会社東京タワー、観光本部の小椋信也さん。そう、東京タワーはまだまだ元気いっぱい!! 電波塔の役割だけでなく、国内外から年間約200万人以上が訪れる、東京有数の観光スポットは健在。取材当日も多くの観光客でにぎわっていたのだった。

 しかも、赤いちゃんちゃんこ……ではなく、5年に1度行われる、赤(オレンジ)と白のシンボルカラーの塗装作業も完了間近。間もなく“新調”した、ピッカピカの60周年記念イヤーの東京タワーを楽しめるのだ。

いつ来てもワクワク! 東京タワーの見所

 そして今夏にも、おなじみの高さ150メートルの展望台、あらため「メインデッキ」の全面リニューアル工事が完了(工事期間中も営業)する。

「メインデッキは、周囲に立ち並んだ高層ビルの高さを望み、街を行き交う人や車など、東京の息吹を感じられる景色が人気です。窓ガラスを入れ替えたことで、より広々と景色を楽しむことができると思います」(小椋さん、以下同)

 その上の特別展望台こと「トップデッキ」では、近未来を感じる新アトラクション『トップデッキツアー』を開催中(事前予約・時間指定制)。高さ250メートルの空間でプレミアムな展望体験ができそう。

 景色を満喫した後は、足元の「フットタウン」を楽しみたい。昭和世代の記者は、東京タワーといえばちょっと不気味な『蝋人形館』を思い出すが、現在は『ワンピースタワー』が常設テーマパーク。人気アニメだけに、このアトラクションを目的に東京タワーを訪れるファンも多いとか。

 文字どおり都内“最高峰”の「タワー大神宮」も、現在はメインデッキのリニューアルのため、フットタウン3階に一時移転中。それでも学業成就、恋愛成就のご利益を求めて手を合わせる参拝者は多い。

 また60周年記念グッズもそろえたショップや、各種グルメも楽しみのひとつ。期間限定(9月29日まで)オープン中の「ハイボールガーデン」では、東京タワーを見上げてグイッと1杯。大人のレジャーとしても楽しめそう。

 開業から60年、いまや富士山のように、国内外から“日本のシンボル”として認知され、さらに“アップデート”し続ける東京タワー。「構造自体は何ら問題もなく、塗装を繰り返していけば半永久的に使用できます。100周年めざして頑張りたいと思っています」(小椋さん)

「人生100年時代」が話題になっている今日では、60歳はまだまだ現役バリバリ。令和の時代も東京タワーとともに歩んでいきたい!

「東京タワーを階段で昇ろう!」
土日祝日11:00〜16:00オープン(最終受付16:00 雨天・強風時は中止)通常の展望料金が必要(高校生以上900円 小中学生500円 4歳以上400円)
※体調に不安のある方は利用を避け、無理をせず自分のペースで上りましょう

(取材・文/山崎ますみ)