大手メーカーも真っ青!? オリジナルにこだわる成城石井、驚愕の「菓子力」
世界中の厳選商品が並ぶ、こだわりスーパー『成城石井』。東北から関西まで169店舗を展開し、入手困難な『いちごバター』をはじめ、ヒット商品が続出。メディアやネットを連日にぎわせている。ご多聞にもれず、お菓子売り場もものすごいことになっていると聞きつけ、取材を敢行!
おいしさを徹底追求
「袋菓子類は、通常の仕入れ商品と自社輸入品、そしてオリジナル商品の3種類。どれも他社との差別化を図っています」
とは、菓子バイヤーの八尋佐和子さん。安さに飛びつく価格ではないが、“成城石井ならでは”が詰まった高品質の菓子たちは、次々と買い物カゴに吸い込まれていく。
「地方ならではの商品を仕入れる際も輸入品も、バイヤーがメーカーから直接買いつけ。成城石井が設ける安心・安全の基準をクリアするように、商品の一部仕様の変更をしてもらったり、別の原料で特別に作ってもらう場合もあります」
菓子売り場は、まさにプロの目利きで選ばれし“菓子のセレクトショップ”。
「特に力を入れているのがオリジナル商品です。自家製惣菜なども含めると、成城石井全体で約2500種類を展開。素材選びから製法まで、おいしさと品質、適正価格を徹底追求しています」
例えば、袋菓子でダントツ人気のオリジナル『ミックスナッツ』のクルミは、単体商品(『無塩クルミ』)とはロースト時間を変えるなど、そのこだわりは半端ない。
「はちみつやココナッツシュガーなど、オリジナル商品のために、原料そのものを新たに輸入することもありますね」
成城石井には子会社に貿易会社があるため、中間マージンが省かれ、価格も抑えられるという。そんな心血を注がれるオリジナル商品の最高峰は、'16年に立ち上げた「desica(デシカ)』シリーズ。バイヤーの高い商品調達力と、専属シェフのレシピ開発力のコラボは、“成城石井でしか作れないもの”。
「袋菓子では現在10種ほど。『和三盆ポルボローネ』はほろほろの食感にこだわり、バターの配合比率など苦労を重ねて完成したものです」
そもそもバイヤーの企画案を、会議で通すこと自体が最難関だと八尋さんは苦笑する。
「本当にお客様にとって喜ばれるものなのか? 成城石井がそれを作る意味を見いだせない限り、商品化にGOは出ません。“成城石井の商品は高い”と言われることもありますが、品質と内容からすれば圧倒的にコスパがいいことを、少しでも多くの方に知ってもらえるよう、さらに頑張っていきたいです」
成城石井の人気袋菓子TOP5
1位 ミックスナッツ大袋袋菓子でダントツ人気。「スイーツを含めても『プレミアムチーズケーキ』の次に売れているのは、これ。年間約48万袋が売れています」。アーモンド、クルミ、カシューナッツ、マカダミアナッツの4種を贅沢配合。食塩・植物油を加えず、素材本来のおいしさが味わえる。個々のナッツは単体販売商品とはロースト方法を変え、12時間以内に袋詰めしている。300g、1190円
2位 手巻納豆手巻き寿司風の見た目がユニーク。国産大豆100%のひきわり納豆をフリーズドライし、香ばしいあられとネギを加え、しょうゆなどで味つけ。「有明産の海苔でひとつずつ手作業で巻いています」。サクッとクリスピーな食感で、だんだんと糸をひく納豆に変化。からしの風味もアクセント。「健康ブームを背景に、根強いロングセラー商品です。お酒のつまみにも」。180g、1590円
3位 和三盆ポルボローネ(desica)『desica』シリーズの第1弾として、'16年より発売されているスペインの焼き菓子。「最高品質のフランス産小麦粉を使用し、成型できるギリギリの30%までバターを配合。自社輸入のアカシアはちみつで仕上げています」。口の中でやさしくほどける、リッチな味わい。120g、450円
4位 2種のトリュフ香るミックスナッツ自社輸入したイタリア産の白トリュフオイルと、黒トリュフ入りゲランドの塩で味つけ。アーモンド、クルミ、マカダミア、ピスタチオの4種の風味豊かなミックスナッツ。「白・黒両方のトリュフを使用した商品は珍しく、また贅沢です」。テレビ番組で紹介されたことでバカ売れし、品薄だった時期も。90g、600円
5位 ナポリタンチョコレートシンプルで、味わい深いひと口サイズのチョコレート。ベルギーのバリーカレボー社のこだわりの原料を使用した、北イタリアの老舗チョコレートメーカーから直輸入している。成城石井がバルク(最終製品として包装されていない状態)輸入を始めた先駆けの商品で、国内で袋詰めすることで価格を抑えています」。370g、1299円
(※価格は注記がない限り、すべて税抜き)