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ゲームアプリリリース5周年を迎えた「Tokyo 7thシスターズ」(ナナシス)は、2019年4月18日より新章「EPISODE 4.0 AXiS」がスタートした。第1話では「ナナシス」世界にかつて存在したレジェンドアイドル・セブンスシスターズと同じ声を持った6人による禍々しきユニット「AXiS」が、777☆SISTERSのライブを強襲。あらたな物語が幕を開けている。

<AXiSメンバー>



・天神ネロ(CV:水瀬いのり FROM:FUKUOKA-04)

・比嘉アグリ(CV:渕上 舞 FROM:RYUKYU-02)

・蓬莱タキ(CV:川崎芽衣子 FROM:EZO-05)

・志摩サビナ(CV:前田玲奈 FROM:OWARI-01)

・鹿込オト(CV:黒瀬ゆうこ FROM:SENDAI-06)

・帝塚セネカ CV:辻あゆみ FROM:OSAKA-03)

そして5月22日、満を持して発売されるのがAXiSが歌う新曲「HEAVEN’S RAVE」だ。楽曲を手がけるのは、セブンスシスターズと「ナナシス」のはじまりの曲である「Star☆Glitter」、いちばんソリッドな時代のセブンスの象徴である「SEVENTH HAVEN」といった数々のセブンス楽曲を手がけてきたkz(livetune)。ここでは、kz氏と、ナナシスの音楽とストーリーを手がける総監督の茂木伸太郎氏との対談をお届けする。

──まずは「Tokyo 7th シスターズ」5周年おめでとうございます。この5年間、早かったですか、長かったですか。

茂木伸太郎 それがすごく不思議な感覚で、(昨年の)日本武道館ライブや4thライブがもう10年前のように感じるんです。ほぼ記憶がないくらい。なんだけど、この5年間はものすごく早くて、つい昨日のことのように感じるんです。ピンポイントの出来事は遠く感じるけど、5年は一瞬。そんな感覚です。

kz それはなんだかわかる気がしますね。全体の時間の経過は早いんですけど、1stライブとかもうほんといつのことだろうと思うので。

──「SEVENTH HAVEN」がもう3年前だと考えると不思議な感じです。。

茂木 ね、本当にそこですよ。

kz 今年の正月に「SEVENTH HAVEN」から3年たったとツイートしたんですが、驚きの反応がたくさんありました。

茂木 それだけ色あせない曲だってことなんじゃないですか。

kz それはわからないですけど(笑)、支配人さん的には3年もたったのか、という感覚が強かったようですね。

──ゲームでは新章「EPISODE 4.0 AXiS」がスタートし、最凶のライバルユニット「AXiS」が猛威をふるっています。6年目を迎える「ナナシス」にAXiSという存在を投入した意図を伺えますか?

茂木 日本武道館という大きな節目があって、そのあとの4thライブはとにかくみんなで楽しもうという意図でやりました。で、その最中に次に何をやるかと考えました。今、順番にユニットの楽曲を作ってリリースして行ってるんですが、そのことが作品全体を動かす何かに繋がることはたぶんない。

kz リリースがルーティーンになってしまう。

茂木 キャラクターがいっぱいいて、楽曲を定期的にリリースしていく音楽コンテンツで、曲はすごくいいよね……みたいな評価に収まっていくことは避けたかった。僕の中では最初から「ナナシス」は物語と音楽であるべきと考えていたんですが、ここ数年は物語を進行できていない感覚だったんです。そんなわけで、日本武道館まではライブに物語を持ちこんでいたんですが、4thライブをあえて物語をもちこまないライブにしたのもストーリーを進めるためだったんです。そういう状況が整ってはじめて、きちんと物語を動かして表現してもいい時期だなと思い、「AXiS」をスタートしました。



──1stライブから3rdライブの三部作という物語があって、集大成としての武道館があって、一度物語から離れた4thライブという祭りがあって、ここからまた「ナナシス」が新しいフェイズに入る最初の矢が「AXiS」である、という感じでしょうか。

茂木 そうですね。同じことを繰り返していても作品は死んでいくと思うんですよ。何よりそれはつまらないので。

──AXiSという存在が登場するよ、セブンスと同じ声優さんでやるよ、という話はいつkzさんに行ったのでしょうか。

茂木 それは(2018年10月の)4thライブの打ち上げのときだよね。

kz 中打ち上げのときですね。まぁ覚悟をしておけよとね、言われました。

茂木 そんな言い方はしてないよ(笑)。

kz ニュアンスとしてはそうですよ(笑)。またヤバいのが来るぞということはひしひしと感じました。あ、でもたしか4thの前に、とんでもないことやりますよ、という予告だけLINEでもらってました。

茂木 終演後の簡単な打ち上げでお酒かなんかも持っていて、そのときのことはよく覚えてるんですよ。僕ずっとkz君にこの話を伝えたかったので。「キャラは別人だけど声はセブンス」とまず伝えました。

kz テンションがバチ上がりしましたよ(笑)。「意味わかんねー!」って。

茂木 ライブ後で疲れきっていたんですが、それを伝えて反応をもらったときだけはうれしくて大笑いしてました。

kz また意味わかんないこと言ってるなと思いましたが、そういうの大好きなんで。直観的にこれは「SEVENTH HAVEN」と同じぐらい大変な大仕事になるぞ、と感じましたね。ただ、「SEVENTH HAVEN」は本当に大きな転換点だったんですよ。最初の時点では物語を大事にしたアイドルコンテンツ、という感覚だったのが、180度変わったのがあの曲だったので。「SEVENTH HAVEN」でこのコンテンツはちょっとおかしいぞ、という最初の理解が済んでいたので、そのぶんだけ大変さは軽減されていて。そのぶん面白いという感覚が前に出てきたのが「HEAVEN’S RAVE」の制作でした。

──「SEVENTH HAVEN」での音楽的、世界観的な反転について、kzさんの捉え方を伺えますか?

kz 根底にある感情や、物語の部分は変わっていないんですね。音楽に対する物語の付与という部分をどこまで極限化できるか、その線を引けたのが「SEVENTH HAVEN」だったんだと思います。たぶん今までの楽曲で、いちばん細かく情報量の多い指示書をもらったのが「SEVENTH HAVEN」なんです。音楽でここまで物語を表現するんだという意志を共有できたんじゃないかな、と思います。



──「HEAVEN’S RAVE」の発注はどんな感じだったんですか?

kz 今回は全然細かくなかったですよね?

茂木 こういう音楽がほしい、みたいなサウンド的な指示はほぼなくて、「SEVENTH HAVEN」のときとは大きく違いますね。シナリオのプロットとキャラクター設定を中心に送りました。AXiSが強襲してくるので、それにふさわしい音楽をくださいというオーダーですね。その話をしてからしばらくして、kz君と鍋を食べに行ったんですけど。

kz 鍋食べてるときには、もう頭の中で音楽がなってましたね。

茂木 その様子を見て、マネージャーさんも、「あ、今回は大丈夫だ」と安心してたみたいです。

kz AXiSに求められるものと、最近の音楽のトレンドが符号してる部分もあったので、すごくやりやすかったです。これは時流に乗れるなと。

茂木 来た瞬間からめっちゃかっこよかったです。ラフの時点でスタッフに聴かせたんですが、すごく評判が良かったですね。攻撃的でありつつ、ノリ方や身体の揺らし方が新しいなと思いました。

kz なので今回に関しては、もしこれで駄目だったらどうしたらいいのか、ほかに考えられないぞって感じでした。だからバッチリですと言ってもらえてほっとしました。

──受け取ったとき、OKを出したときの茂木さんの思考ももう少しいただけますか?

茂木 あ、この人やっぱりちょっとおかしいぞ、と思いました。kz君が僕をおかしいというのは、客観的視点からなんとなくわかるんですけど、いやいやこの人もおかしいぞとうれしくなっちゃったんですよ。

kz そうですか?俺としてはまっとうな返し方をしたつもりなんですが(笑)。

茂木 いやぁ、3年前に比べてもkz君(の作る音は)イカれてると思うよ。

kz それはやっぱり魚住がチャージングの線を引いたんですよ。

茂木 今魚住はラインを引いた。『スラムダンク』ですね。

kz 「SEVENTH HAVEN」でここまで踏みこんでも大丈夫だということがわかったので、今度はもう少し行っても大丈夫だろうと。

茂木 これぐらいなら審判は笛を吹かないと。そういうことなんですね。元々あった狂気を、これぐらい出しても大丈夫ということですね。イントロの音からおかしいですよ。

kz 以前ツイッターで、「カラオケで打ちこむ人マジで大変な曲ができた」って書いたんですよ。それがこの曲なんです。鳴るはずがない、言語化できない音が鳴っているんで、俺が使っているサンプルを使わないとこの音にはならないんじゃないかと思うんですよ。

茂木 シタール(北インドの民族楽器)の音が「ナナシス」で鳴らされたのは初めてじゃないかな。予想しない音、いろんな音が入ってるんです。個々の音を分解していけばわかると思うんですけど、全体として聴いた第一印象は、「あ、狂ってるな」って感じでした。こういう感想は初めてです。

kz 結局、お互いに同じようなことを思っていたということですね。



──続いては演者さんについて、同じ人が同じ声ではあっても全く別のキャラクターを演じ、歌うということにどのように向き合っていたかを伺いたいです。今回もレコーディングでのサウンド面のディレクションはkzさん、キャラクター面は茂木さんだったんですか?

kz はい、レコーディングにはすべて僕と茂木さんが立ち会っています。茂木さんがいないと僕もキャラクターについてはまだ手探りだったので(笑)。

茂木 AXiSを演じるうえで、彼女たち自身がどう感じたかはわかりませんが、正直苦労していたと思います。まず事前にシナリオプロットを渡していたので、歌のレコーディングの時点でこういうふうに話すキャラクターなんだ、という役作りをしてきてくれるんですね。それを見て、本人たちも迷っているのが伝わってくるんです。ルイならルイと完全に同じでいいのか、声が同じってどの程度同じなのか、言っていることやテンションは完全に別人だし……悩んだと思います。

──初報のMVには「セブンスの声を持つ」という煽りがありましたが、極端な話、声優さんたちは同じ声帯からまったく別人に聞こえる声も出せるわけですよね。

茂木 「セブンスの声を持つ」というのはそのように聞こえる人が多い、という意味あいですね。つまり、たとえ物語上で、支配人や誰かが「同じだ」と言っていても、それはそのキャラクターがそう感じたという情報でしかありません。で、シナリオを渡してあるので、彼女たちがどんな口調で何を話すかは伝わっているんですが、そこに至るまでに彼女たちに何があったかをすべて伝えているわけでは当然ないので。だから現場でかなりコミュニケーションを取りながらレコーディングを行ないました。声は同じにも聞こえるけど、別の人。そのラインを見定めるのは大変だったと思います。

──AXiSの人間をどう演じるかを構築したうえで、次はそのキャラで歌うという本番が待っていますよね。

茂木 「ナナシス」では歌声のバランスも、実際にやってみて決めるんですね。

kz 大変でしたよね。もちろん、セブンスとAXiSで演じるキャラクターの乖離具合の大小はあるので、個人差はそれぞれかと思いますが。

──新しいキャラクターを歌に載せる作業で特に苦労していた人はいますか?

kz (若王子ルイ役/蓬莱タキ役の川崎)芽衣子さんは苦労してましたね。

茂木 演技の方針としていろいろやってもらった結果、ルイよりは声質を若めに設定してもらったと思います。この感じがタキだ、というあたりが定まったあとの歌収録はスムーズだったと思います。

kz そこに辿り着くまでが長かったんですよね。

茂木 キャストの皆さんには、大変な思いをさせてごめんなさいですね。

kz ディレクションする側のちゃんと説明する言葉の力も必要なんですよね。僕自身も解答を持たずにスタジオに入りましたからね。

茂木 だからAXiSのキャラクターをつかんでもらうところまでは僕の担当で、歌声ではkz君に伝え方を相談しながら進めていきました。

──そのやりとりをいちばん近くで見ていたkzさん的にどう感じましたか?

kz キャラクター像は事前にテキストベースで伝えられていて、演技でどこまで踏みこんでいくかは現場で実際にやりとりしていくところなんですが、6人全員について、文章よりも茂木さんが伝える人物像の方がだいぶヤバかったですね(笑)。基本はもっともっとイカれてる、想定より踏みこんでちょうどいい感じだと思います。

茂木 この記事が出る時点で、AXiSのキャラクター性の一端はかなり伝わってきていると思います。早く皆さんに見せたくて、ずっと楽しみにしていたんですよ。

kz 言えないことがあまりにも多いんですよ(笑)。自分なりに解釈したものを「HEAVEN’S RAVE」には落としこんでいるので、「EPISODE 4.0 AXiS」が完結してから聴いてみてほしいですね。

茂木 いろいろ仕掛けをしておりますということで。皆さんが解釈してくれたことが、曲を色づけていく部分もあるのではと思います。



──楽曲自体から享楽、退廃、みたいなテイストが漂っていたので、歌詞との統一感がすごくあるなと思いました。

茂木 不思議なんですけど、具体的な制作に入っていく前の段階で、ふたりの中に偶然にも享楽、享楽の都市というワードのイメージがあってびっくりしたんです。

kz この人たち(AXiS)の思想は享楽性ですよね。

茂木 ワンワードで伝えやすい言葉ですね、享楽。

kz 中東系の文化圏の中二病的な退廃の香りみたいなものは、悪役らしさを出すうえで独特の味があるんですよね。僕はヒール(悪役)を音楽で描くってそんなにしたことがないので、作っていて楽しかったです。

──「HEAVEN’S RAVE」といえばラップパートも印象的です。

kz この6人には音楽だけでなく、語気が強い「言葉」を叩きつけてほしかったんですよ。それはこのユニットの雰囲気にもバチバチに合うと思ったし、トラップというサウンドの方向性的にもいいかなと思って。ラップ作ったことないんですけどなんとかなるかでチャレンジしてみたんですが、大変でしたね。これが正解かはわからないんですが、表現の手段としては正しかったと思います。

──あらたに作り上げたキャラクターでラップを歌って、そこに笑み崩れたり高笑いしたりの表現まで入ってくるというのは……。

kz そこがまぁ、大変そうでしたし、言ってしまえばみんないやがってましたね、ラップは(笑)。「ラップか!」みたいな。

茂木 作り上げたキャラクターをどうラップに持ちこむかはkz君にお任せしました。

kz ラップに関してはキャラクター表現というよりは、そもそもラップが得意じゃない人もいて、というところですね。ラップって言葉をハメればいいわけではなくて、一つひとつのイントネーションやアクセントの細かいニュアンスでかっこよく聴こえたりもするんですね。たしか前田(玲奈。御園尾マナ/志摩サビナ役)さんがラップとかポエトリーリーディングを聴いた経験があったのかな?いちばん飲み込みが早かった気がします。

──逆に苦戦していたのは?

茂木 芽衣子さんです。

kz これはもう明確に芽衣子さんです。ラップがどうこう以前の問題としてですね、芽衣子さんはいい人なんです。性格の良さが声に滲み出てしまうんですね。

茂木 善の匂いがしてしまうんですね。

kz 悪のラップなのに、人の良さやほがらかさが出てしまう。

茂木 ずっともっと悪くもっと悪くと言っていた気がしますね。それだけでは伝わらないときは、もうちょっと狂って、パーティだと思って、ピエロだと思って、いろいろ言ってました。

──タキとルイのキャラクター性の乖離について結構聞いたのですが、逆に天神ネロと七咲ニコルの表層的な演技はそこまで離れていない気がします。その中での表現の違いとかってどのあたりにあるんでしょうか。

kz ひとつ大きいのは、ネロは笑わないことだと思います。

茂木 演技で笑いはするんですけどね。

kz レコーディングのときに茂木さんが、「ネロは(本心からは)笑わないです」ってずっと言っていましたね。

茂木 水瀬さんもそのあたりのニュアンスについてはかなり細かく質問してくれていました。序盤のネロの台詞の中で、ひとつだけここはニコルのときのままでいいです、と伝えたところもあります。幸いだったのは、ラップではみんなにすごく苦労させてしまったんですが、AXiSとしての振り切れた演技についてはみんなすごく楽しんでくれました。

──「ナナシス」のドラマCDは楽曲の世界がかっこよかったりハードでも、ドラマパートでは日常寄りなことが多い気がします。ドラマでもAXiSの狂気の演技が楽しめるというのは新鮮な試みなのでは。

茂木 今回、ドラマCDはネロとアグリ以外の4人がメインなのもそのあたりに関わってくるんです。AXiSについては過去設定を含めて相当作りこんでいて、実際これからの物語にもそれは出てきます。でも、とてもじゃないけど(表現の場が)足りない。

──ぜひ見せたいけど入れきれなかったAXiSの物語や表現を、今回はドラマCDにも入れてみたと。

茂木 そのとおりです(笑)。実はこうなんだぜと言えて、脚本を書いていても楽しかったし。収録中はキャストも僕も(音響監督の)納谷さんもずっと爆笑してました。

kz いいものができたら人間笑うんですよ。歌収録のときも前田さんがまぁ悪そうな演技をしていたので、「いやぁ、性格悪いですね」って言ったら本人も大爆笑してましたよ。

──さんざんAXiSの悪さと狂気について伺ってきたのですが、カップリングの「COCYTUS」からは彼女たちがそれだけの存在ではないことも感じます。

茂木 こちらはシナリオと結びついた部分なので。ぜひ、シナリオを最後まで読んでからまた聴いてほしいと思います。

──ありがとうございます。ちょっと小ネタになるのですが、かつてずっと“SEVENTH HEAVEN”とタイトル間違えられ続けてきた「SEVENTH HAVEN」と対になる曲に、「HEAVEN」を冠してきたのがちょっと面白いと思いました。

kz 今でもちょいちょい間違えられますね(笑)。今回、「HEAVEN」は使いたかったんですよ。自分にとって「SEVENTH HAVEN」というのは良い意味ですごく邪魔なんですよ。クラブシーンとかも含めてあまりにも浸透しすぎていて、自分的にいつまでも3年前の曲が「ナナシス」の象徴のようになっていても困るぞ、という感覚があるんですね。だから、あの曲を殺す(それ以上の楽曲を目指す)というのが自分の中にあるんです。超えているのか、超えられているのかはまた別の話として、「SEVENTH HAVEN」を超えようという意志を持っていることが大事なんだと思います。それがあったので、「タイトルを似せたいんですがいいですか?」と茂木さんにお願いしました。



──3年前の時点で、そういうイメージはあったんですか?

kz いつかHEAVENを使いたいとは思っていて、それはきっと「ナナシス」の次の大きな転換点だろうな、ひょっとしたら「ナナシス」がラストに近づいたタイミングになるかもしれない、とは3年前から思っていました。それが今回思わぬ形でやってきて、予想もつかない形で生かせることになったのは「ナナシス」のクリエイティブならではだと思います。予想していなかった使い方と曲調でしたが、この対比を使うのはここしかない、と思いました。

茂木 作り手が過去の楽曲を超えないといけないというプレッシャーについて、客観的に見てキツいだろうなぁとは思うのですが、僕自身は「SEVENTH HAVEN」を超えようとはあまり思ってなくて。まったく違うものとして捉えて、違うものとして最高だと思ってますよ。

kz この路線でお客さんの前に出るなら、その目線の先にはやっぱり奴(「SEVENTH HAVEN」)がいるんですよ。概念として、ひとつのパラダイムシフトを起こした曲として「SEVENTH HAVEN」がある以上、比較されることは避けられないので、楽曲として同等以上の強度があるものを作らなくてはいけない、そういう背負いですね。

──いちばん尖っていた時代のセブンスの楽曲を超えようとする意志を持って作られた楽曲をひっさげて、セブンスと同じ声の存在が、2034年のステージに立つ、同じ時代で交わるということには、支配人さんたちもすごくワクワクするのではないでしょうか。

茂木 そうですね、そう思ってもらえたらうれしいです。

kz 「EPISODE 4.0 AXiS」が始まってのトップ画面、くっそかっこよかったですからね。今の時点では話せないことが多すぎて本当に申し訳ないんですが、逆にこれほど話せない何かが準備されている物語は今までなかったと思います。今の視点で楽曲と物語を楽しんでほしいですし、物語が進んで、終わったときの楽しみ方もまた違うと思います。めちゃめちゃ面白いです。

茂木 「EPISODE 4.0 AXiS」、ゾクゾクするようなエンターテイメントとしても楽しめて、そして伝えたいことがある作品としても在れるように、と思って作っています。「HEAVEN’S RAVE」をお手元に置いていただければ、より楽しめるのではないかと思います。

Interview & Text By 中里キリ Photography By 小賀康子





●リリース情報

AXiS

「HEAVEN’S RAVE」

5月22日発売



【初回限定盤(CD+缶バッジ)】

品番:VIZL-1593

価格:¥1,800+税

【通常盤(CD)】

品番:VICL-37477

価格:¥1,200+税

<CD>

1.HEAVEN’S RAVE

2.COCYTUS

3.HEAVEN’S RAVE -OFF VOCAL-

4.COCYTUS -OFF VOCAL-

5.THE TOP SECRET OF “AXiS”(ドラマトラック)

初回限定盤封入特典:オリジナル缶バッジ

5月22日(水)よりiTunes Store、レコチョク 他各配信サイトにて一斉に配信開始

(C)2014 Donuts Co. Ltd. All rights reserved.

関連リンク



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