ヒロコマナーグループ 代表 西出 ひろ子

 2月に刊行された本書は、拙著、監修本を含め、国内外で85冊目の本です。ビジネスマナー本では異例の28万部超えの「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)や、私がプロデュース、監修した「入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社)は、発売から2年間、ビジネスマナー本の分野では売上NO.1のベストセラーとして、企業から100冊単位の大量注文も多数いただいています。

 そのような本がある中、新たなビジネスマナー本を執筆したのは、令和元年の今年は、マナー大革命の年になると思ったからです。それは、ビジネスマナーも今までと同じことを行っては「時代遅れ」「時代錯誤」となるからです。例えば、身だしなみがその一つ。今まで男性はスーツ着用としていた大手企業の身だしなみ規定も、ジーンズ可、くるぶしまでの靴下可、に改定されています。これは、国がスニーカー通勤を奨励したり、ビジネスのグローバル化と称して、海外のビジネスファッションを取り入れている傾向や要因があります。

 このように、ビジネスマナーの型は、時代や企業、業種、職種に応じて様々です。今や、通り一辺倒のことを行なっても、それが評価されないこともあります。マナーは型ではなく、それ以前に相手に合わせる配慮ができる「人財」であるかが大切です。前述の企業も、ジーンズOKとなりましたが、取引先の会社に伺うときにはスーツで伺うなどのTPPPO®(Time・Place・Person・Position・Occasion)は外していません。

 そこで、本書では様々なビジネスパーソンを想定した身だしなみや、LINEのマナーなど、時代に即した最先端のビジネスマナーを紹介すると同時に、何よりも相手や状況に合わせた言動のできる、素直で正直、感謝と謙虚さを忘れない誰からも受け入れてもらえる、愛される人財になるための黄金律をお伝えしています。

 時代に応じて型は変われど、相手を思いやる心は永遠です。ここを押さえている人材がいると会社や上司も楽になります。もちろん、お客様も喜び、収益もあがる人材育成につながります。