トヨタ自動車<7203>は18日、国内で販売した「カローラ」、「カローラランクス」、「ヴィッツ」、「ファンカーゴ」、「bB」、「イスト」、「WiLL」「RAV4 J」など16車種127万2214台の灯火装置に不具合があるとして、国土交通省にリコールを届け出た。うち3722台で、制動装置(ブレーキパイプ)に不具合が発見された。今回の大量リコールは、「部品の共通化と人気車種が重なった」(国土交通省)ことで発生し、1996年に日産自動車<7201>が「セドリック」などで行った104万台のリコール台数を上回り、過去最大規模のリコール台数となった。

  リコールの対象は、2000年5月10日から2004年8月31日に製造された車種。灯火装置の不具合は、前照灯のスイッチ内部の接点の形が不適切だったため、接点の磨耗が早く、絶縁体が形成されてライトが点灯しなくなる恐れがある。一方の制動装置は、パワーステアリング用油圧パイプの固定方法が不適切だったため、エンジン振動等により位置がずれ、ブレーキパイプが損傷してブレーキ液が漏れ、制動力が低下する恐れがあるという。
 
  トヨタによると、「カローラ」や「ヴィッツ」といった生産車種の多い車種でそれぞれ不具合のあった部品が使用されたため、今回の大規模なリコール台数につながったと説明。クレーム件数は、灯火装置で国内230件、制動装置で1件、不具合が原因による事故は報告されていない。

  修理に要する期間やコストなど詳細は明らかにしなかったが、該当部品は対策品に交換するなどの早急に改善策を取るとしている。同社にとって今回の大量リコールは、1999年にボールジョイントの不具合で「クラウン」「アリスト」「マーク?」など79万7000台をリコールして以来のもの。国土交通省のリコール対策課では、「コスト効率化のため、部品の共通化が進んでおり、今後も大量のリコールが発生する可能性もある」との見方を示していた。 【了】