貴乃花、理事選直前に「ブラボー」な新ブログ 造反呼び起こし「貴の乱」の再現なるか
元日馬富士の暴行事件以来ほとんど公に言葉を発してこなかった貴乃花親方が2018年1月30日、ここにきて部屋のブログで克明に自身の思いを明かした。
2月2日にある日本相撲協会の理事候補選挙の直前とあって憶測が飛び交った。貴乃花一門以外の親方が造反し、貴乃花親方に1票を投じる可能性も「あると思う」との見解まで出ている。
「本当にブラボーですよ。完璧にできあがってます」
貴乃花親方は2018年1月30日夜に貴乃花部屋のブログを更新。初場所を終えた力士をねぎらうとともに、「相撲協会の未来」についてこう語っている。
「2025年に日本相撲協会は100周年を迎えます。もちろん、その先も相撲は続くわけですが、私たちは若い世代へ、次世代へ相撲を残して行かなければなりません。改革するのではないのです。古き良きものを残すために、時代に順応させながら残すのです。親が子へ継ぐ、その子はまた自分の子へ継がすわけですから、ある意味、協会全体がひとつの家族となるべきだと思っています」
31日放送の「ひるおび!」(TBS系)では、スポーツ文化評論家の玉木正之氏が「一門の結束がより強まったことと、理事候補選へ向かっての自信が感じられる」と分析した上で、
「この文章、本当にブラボーですよ。完璧にできあがってます。『改革』でなく『古き良きものを残すために、時代に順応させながら』というのが素晴らしい。2020年の東京五輪が言われてきた中、『2025年に日本相撲協会は100周年を迎えます』と見据えたことは見事。相撲の親方が未来を語るのは初めて聞いた気がする」
と絶賛した。
ミュージシャンで好角家のデーモン閣下も同番組で、
「面白いと思うのは、あの文章の裏側に、貴乃花親方がこういうのを残さないといけないと思っているのに、現在の相撲協会執行部はそれを残すようになっていない。大事にしなくていい古い体質が残っている、みたいな裏読みができる。それが具体的に何なのか、次に知りたい」
と述べている。
横野氏「反省した感じをHPからも受けましたし」
さらに日馬富士騒動以来、貴乃花親方に厳しい姿勢をみせていた相撲リポーターの横野レイコ氏は、31日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)で、
「この最新のホームページを見た時に、日馬富士騒動から貴乃花親方が変わられたんじゃないかと思いました。協会の思いと同じように、協会員として協会の方を向いて発言なさっている。対立構図があるかのように2か月以上言われていますけど、一丸となって協力していく姿勢の表れなんじゃないかと思います」
と早速、親方に影響を受けたような発言。理事選についても、
「貴乃花親方にはむしろ通ってほしいんです。反省した感じをHPからも受けましたし。この2年間は執行部に相対して理事会でもスマホを見たりといったイメージだったけど、変わったと思います」
と肯定的な見方を示した。
理事候補選挙は定員10人の理事の座をかけ、101人の親方による立候補者への無記名投票で決まる。
立候補予定者は計11人。出羽海一門(親方33人)から出羽海、春日野、境川、山響の4親方、二所ノ関一門(20人)から尾車、芝田山の2親方。時津風一門(16人)から鏡山親方、高砂一門(12人)から八角親方、伊勢ヶ浜一門(9人)から高島親方。そして貴乃花一門(8人+無所属3人)からは貴乃花親方だけでなく、阿武松(おうのまつ)親方も出る予定となっている。
当確ラインは9〜10票で、投票前にある程度票が固まるとされる。貴乃花親方には「5票」固まっているとの報道もあれば、自身の「1票」しかないとも報じられている。
夕刊フジ記者で貴乃花親方取材歴30年という久保武司氏は前出「とくダネ!」で、「貴乃花親方のホームページを読んで、他の親方が、そういうことならこっそり『造反』して貴乃花親方に投票しようという力付けになり得るか」との問いに、「それはあると思う。前回の理事選でも、変えたいと発言していた。だったら貴乃花親方に、という親方はいると思う」との見解を述べていた。
実際、貴乃花親方がかつて所属していた二所ノ関一門を離脱し、理事選に立候補した2010年の「貴の乱」では、事前に7票の支持しかなかったにもかかわらず10票を集めて当選。3人の「造反」親方が出た形となっていた。