CULEN組快進撃の裏で【冬ドラマ】ジャニーズの “エース級” 大量投入の狙い
■木村拓哉主演『BG〜身辺警護人〜(仮)』木曜21時・テレビ朝日
■松本潤主演『日曜劇場 99.9-刑事専門弁護士-SEASON II』日曜21時・TBS
■滝沢秀明主演『家族の旅路〜家族を殺された男と殺した男〜』土曜23時40分・フジ
■亀梨和也主演『FINAL CUT』火曜21時・カンテレ/フジ
■山田涼介主演『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』土曜22時・日テレ
全員がエース級
2018年1月スタート予定のドラマに、ジャニーズタレント主演のドラマがズラリと並んだ。
「しかも、全員が“エース級”といってもいい重量打線。秋クールドラマでは、櫻井翔、上田竜也、玉森裕太、菊池風磨主演ドラマが放送されていますが、18年冬クールは、さらに豪華さに拍車がかかっている印象ですね」
と、ある芸能関係者は言う。この関係者は、亀梨主演のドラマに注目する。
「この枠は“カンテレ枠”とも呼ばれるカンテレ(関西テレビ)制作のドラマの放送枠。近年は、香取慎吾主演の『幽かな彼女』、草なぎ剛主演の『銭の戦争』『嘘の戦争』の“戦争シリーズ”など、ジャニーズに関しては、SMAPのメンバー主演のドラマが放送されることが多い枠でした。
草なぎの“僕シリーズ”や、『いいひと。』、稲垣吾郎の『ソムリエ』や『ブスの瞳に恋してる』もこの枠での放送だった。“SMAP枠”だったところに亀梨が投入され、新たな流れを感じます」
9月にジャニーズ事務所を退社し、新事務所「CULEN」での活動を開始した、稲垣・草なぎ・香取の穴埋めのような亀梨のキャスティング。
「エース級のジャニタレ大量投入、しかも民放キー局をまんべんなく押さえていることで、元SMAPメンバーや I 女史へのマウンティングのようにも見えますよね」(同関係者)
ジャニーズ事情に詳しいある芸能ジャーナリストは、
「ドラマのキャスティングは、半年から1年前から決まるので、来年の1月ドラマに集中したのは単なる偶然なのかもしれませんが、そう思われてもしかたないぐらいの顔ぶれですよね」
と言う。
「とはいえ、そのカンテレ枠で稲垣吾郎主演のドラマを放送するという噂もありましたので、それがぽしゃっちゃったのかなという気もします」(同ジャーナリスト)
本来ジャニーズ事務所では、テレビドラマはそれほど重視していなかったと、この芸能ジャーナリストは語る。
CULEN組の快進撃
「どちらかというと、本当は若いタレントをどんどん起用して人気を集め、ファンにはコンサートや舞台に来てもらいたいというスタンスでした。しかも、SMAP以外のジャニーズタレントは、嵐クラスでも、ドラマのギャラはかなり安い。数年前は、ドラマから引いているように感じる時期もありました。
ただ、この1年ぐらいの間に、メリーさんからジュリーさんに主導権が移行してきたので、ひょっとしたらジュリーさんはドラマも重視していて、この状況につながっているのかもしれませんね。実入りは少ないけれども、“ジャニーズここにあり”といったアピールにはなると思います」
元SMAPの3人は、SNSや動画サイトでの活動も積極的に取り入れている。11月2日から5日までAbemaTVで放送された『72時間ホンネテレビ』は、大きな話題を集めた。
「この時に、SMAPの曲は歌うことができないとか、木村拓哉の名前を出してはいけない、といったことをにおわせていましたが、ジャニーズ側は一切そんなことはありません。そんな決まりは全くなく、もちろん圧力もかけるはずもないのですが。
メリーさん、ジュリーさん、もちろんジャニーさんも、辞めた3人については怒ってないはずです。ただ、そのようにケンカをふっかけてくるようなやり方を続けてくる、I 女史が気に入らないという図式ですね」(同芸能ジャーナリスト)
パラリンピックのスペシャルサポーター就任や、稲垣と香取が出演するサントリーのノンアルコールビールのCMが決定するなど、現時点ではフットワークの軽さからCULEN組の快進撃が続いているような印象だが、一時的な盛り上がりになる可能性も、前出のジャーナリストは懸念する。
「あるテレビ局員が言っていたのですが、3人には代わりがいないんです。例えば10年後に最前線で活躍できているという保証もない。いっぽうで、10〜20代の若手を複数用意することができるジャニーズの強みはある。
現時点での批判はあっても、テレビ局側としては、どうしてもジャニーズにすり寄るような状況になってしまうということなんです」
1月ドラマがスタートし、仮に視聴率が期待値を下回ることがあっても、地上波ドラマでのジャニーズタレントの強さには影響はなさそうだ。
<取材・文/渋谷恭太郎>