<フィフィ・佐藤大和弁護士対談>芸能人の枕営業や悪徳芸能事務所の実態に迫る
芸能人の権利を守る「日本エンターテイナーライツ協会」の発起人でもある佐藤大和弁護士とフィフィが、今後の芸能界について考える「どうなる、これからの芸能界」。第二弾では、芸能界のトラブル相談や枕営業の実態、悪徳芸能事務所の存在を斬ります。
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ーー佐藤先生のもとには日々さまざまな芸能トラブルが舞い込んでくることと思いますが、いま芸能界ではどのようなトラブルが多いのでしょうか?
佐藤:一番多いのは契約のトラブルですね。実はトラブルには大きく三通りあります。入口、中間、出口の問題です。
入口は芸能界に入るとき、中間は移籍トラブルやパワハラ、セクハラの問題、そして出口は独立、解散のトラブルです。だいたいこのなかから一日に一件は相談があります。
フィフィ:入口、中間、出口では、どこのトラブルが一番多いですか?
佐藤:やはり入口は多いですね。トラブルというよりも事前の予防なのですが、心配になった親御さんからの「この事務所は契約しても大丈夫でしょうか?」という相談の連絡が多いです。サンミュージックさんみたいに一流の、立派な芸能事務所さんについては全く問題ないと思うんですけど。
フィフィ:え? ゆる過ぎて最近一番、世間を騒がせている事務所だと思いますが(笑い)。
佐藤:相談がくるのは、地上の芸能事務所よりも、地下の芸能事務所が圧倒的に多いんですよね。
地下というのは三階層になっていて、地下一階は地下アイドル、地下二階は芸能部門を作ったばかりの事務所、そして地下三階が詐欺事務所。アイドルになれるよといいながら、居酒屋で儲けたり、セクシー系に移していったりというような悪徳事務所のことですね。このなかでも、地下二階と三階の相談が多いです。
ただ、なかには地上の立派な事務所であっても、トラブルの相談が頻繁にくるところもあります。レッスン費、違約金が莫大な額だったりというような。
フィフィ:素質がどこにあるのかわからない子でも、安心や優越感を得たいがために、レッスン費を払ってでもとりあえず事務所に入っちゃう子は多いですよね。事務所側は、その子を売り出そうとは更々思っていないにも関わらず。
佐藤:そうですね。そして、もうひとつ相談が多いのが、枕営業です。あるアイドルグループからも三〜四か月に一回くらい相談がきています。
フィフィ:枕営業のように、自分の意志ではない活動をさせられているという事例がありながらも、あまり明るみに出ないのはなぜなんですか?
佐藤:芸能界のなかに、それをした方が良いからという慣習、認識があるからじゃないでしょうかね。それが当たり前だからという。
フィフィ:私にはキャラ的にも、枕なんて発想がないけど(笑い)。むしろ、あっちから嫌がられてしまう(笑い)。
だけど、実際にどれくらい枕があるのかというのは気になりますよね。
とくにCMなどに出ている俳優さんについては、飛び抜けた才能のある人がおらず、どちらを使おうかと迷った場合、「枕」的なことをした方が有利になるんじゃないかなと思ってしまいます。
佐藤:韓国などは、タレントさんを売り出すために枕営業担当のタレントさんがいたりするほど、枕営業が盛んに行われてきましたと言いますが、法律で厳しく取り締まったりなどして、少しずつ芸能界が生まれ変わろうとしていますよ。
日本も昔に比べると、明確な枕の相談は少なくなってきています。
フィフィ:枕以外、たとえば芸能事務所の裏にいる暴力団にまつわる相談などはあるんですか?
佐藤:3〜4年前とかだと、一部の芸能事務所でも裏に暴力団が出てくることがありましたが、最近は表立って出てこなくなりましたね。
ただ、名古屋など地方の芸能事務所の場合、何かで揉めた際に暴力団の名前はまだまだ出てきます。政治家の名前も同時にあがりますよね。東京ではあまりそういうことはありませんが、地方だとまだあります。
東京や一流の芸能事務所の場合だと、暴力団が絡めばすぐにメディアにとり上げられてしまうので、接触や利用することが厳しいんでしょうね。
また、法律に関する知識をタレントさん自身も知り始めているので、自分がされていることが法律違反だということに気が付き始めた。脅しに負けず、強気に交渉ができるようになってきたことも一因としてはあるのかもしれません。
フィフィ:もし事務所に脅されたら、録音しちゃえば良いわけですからね。そして、それを週刊誌に持ち込めば良いわけですから(笑い)。あ、もし持ち込むなら『週刊女性PRIME』のタレコミコーナーまで!
<構成・文/岸沙織>