【ファンキー通信】衆議院と参議院って正直何か違うの?

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 衆議院でギリギリ可決された郵政法案が、参議院で否決され、衆議院が解散。その衆議院の選挙に参議院議員のくら替え出馬が噂されたりして。「もうどっちが衆議院でどっちが参議院か、ワケ分かんない!」とお悩みの方もいるのではないでしょうか? そこで、改めて衆議院と参議院の違いについて、整理しておきましょう。

 まず任期が違います。衆議院の任期が4年なのに対して、参議院は6年(3年ごとに半分ずつ選挙)。衆議院の場合は、今回のように任期を満了する前に解散があったりするので、実質任期は平均すると、約2年半なんだとか。意外と衆議院選挙ってやってるんですね。

 それから、権限に差があります。衆議院には解散・総選挙があり、そのときの国民の民意を反映していると考えられているんです。なので、衆議院は内閣総理大臣の指名、法律の議決、予算の議決、条約承認について、参議院より優先されます。いわゆる「衆議院の優越」ですね。

 衆議院にしか認められていない権限もあって、それが内閣信任決議・不信任決議。ちなみに、内閣総理大臣は衆議院議員から選出するとされています。あくまで慣例なので、絶対というわけではありませんが。

 でも、そもそもなぜ二院制なんでしょう? それは国会が法律や予算などを決定する、とても大事な場所だから。まず衆議院で話し合い、さらに参議院でもう一度じっくりと話し合うことで、物事を慎重に決めていこうというわけです。ただ、衆議院の決定が、そのまま参議院でも何の問題もなく通るという状態が長らく続き、参議院なんて必要なくねぇ? なんて言われたこともありました。だから、今回は面目躍如といったところでしょうか。
 
 最後に豆知識をひとつ。よく国会議員のことを「代議士」って呼んだりしますけど、そう呼ばれるのは衆議院議員だけなんです。参議院議員は、代議士って言いません。

 その理由は、大日本帝国憲法の時代に遡ります。当時は、衆議院と参議院ではなく、衆議院と貴族院でした。衆議院議員がいまのように選挙で選ばれていたのに対して、貴族院は華族や高額納税者など中から選ばれていました。選挙はなし。そこで当時の人々は、選挙で選ばれる国民の代表である衆議院議員のことを敬意を込めて「代議士」って呼んだんです。その名残で、いまでも衆議院議員のみが、代議士と呼ばれているんですよ。知ってました? みなさん。(文/verb)