知将として知られるジョー・マドン監督【写真:Getty Images】

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なぜ、サードはそこにいるのか…カブスの知将マドンの大胆シフトが米話題

 米大リーグで珍しい守備シフトが登場し、話題を呼んでいる。外野に4人陣取り、内野は3人で形成。その模様をMLB公式ツイッターも動画付きで紹介し、ファンの間でも反響となった。

 外野は左からレフト、サード、センター、ライト……!? 珍しいシフトが飛び出したのは、14日に行われたカブス―レッズ戦だ。カブスは7-2とリードし、5回1死走者なし、左の好打者ボットを迎えた。

 ここで、知将として知られるジョー・マドン監督が大胆な策に出る。三塁手のブライアントを外野に送り、中堅手のジェイと左翼手のシュワーバーの左中間に置き、右翼手のヘイワードは定位置の陣形で外野4人態勢を取った。一方、3人になった内野は遊撃手のバエスが三遊間の真ん中に陣取り、二塁手、一塁手はほぼ定位置に位置した。

 この試合まで打率.317で31本塁打を放ち、好調を維持しているボットの長打を警戒してのことだろう。しかし、走者を三塁に置いた場面で本塁アウトを狙うため、外野手を内野手を置くことは稀に見られるが、内野手を外野手に回すことは比較的、珍しいといえる。

しかし、結末は予期せぬものに…

 しかし、結末は予期せぬものになった。

 3ボール1ストライクから先発キンタナの5球目をボットは思い切り引っ張ると、打球は一塁線を華麗に破った。定位置にいたヘイワードはクッションボールを処理して送球したが、悠々と二塁打となった。

 一塁手はほぼ定位置だったため、奇策の成否を判断するのは難しいが、珍シフトは公式ツイッターも動画で紹介され、「ジョーイ・ボット、シフト破りの達人だ」と打ったボットを称賛している。

 ファンからも「球界最高だ」「MVP」「愛してるよ」と打者を称える声が上がるなど、反響を呼んでいた。試合はカブスが15-5とそのまま大勝したが、新たな“名シーン”は多くのファンの心に刻まれたに違いない。