貢献度指標で12球団NO1の広島・丸、数字で見る凄さとは
数字で見る貢献度、パは西武・秋山がトップ
プロ野球も交流戦が終わり、23日からは再びセパ両リーグで熱戦が繰り広げられる。現在、セは貯金16の広島が首位に立ち、同10の阪神が2位。3位・DeNA以下の4球団は借金生活からの巻き返しを図る。一方、パは貯金20の楽天が首位を走り、同17のソフトバンクが2位、同9の西武が3位と続く。4位オリックス以下は借金を抱えているが、ペナントレースはまだ半分以上を残しており、まだまだ追い上げは可能だ。
両リーグ全体で、ここまでどの選手の貢献度が最も高かったのだろうか。ポジションや球団の違いなどもあり、一概に決められないが、現在メジャーリーグで重視されるセイバーメトリクスの指標の1つであるWAR(Wins Above Replacement)を基に見てみたい。
WARは様々な指標を総合し、ある選手が走攻守の全てを合わせて、どれだけ勝利に貢献したかを評価するもので、「控えレベルの選手が出場する場合に比べて、どれだけチームの勝利を増やしたか」を表している。つまり、WARが「1」であれば、チームに1勝分の貢献をしているということになる。
スポーツデータの分析を手がけるDELTA社の独自集計によると、両リーグの先発投手、野手のWARトップ5は以下の通りとなっている。
両リーグでWAR上位の選手は…
○セ・リーグ先発投手
菅野智之(巨人)2.7
マイコラス(巨人)2.6
岡田明丈(広島)2.1
ブキャナン(ヤクルト)2.1
メッセンジャー(阪神)2.0
○セ・リーグ野手
丸佳浩(広島)4.4
坂本勇人(巨人)4.0
鈴木誠也(広島)2.5
田中広輔(広島)2.3
ロペス(DeNA)2.2
宮崎敏郎(DeNA)2.2
○パ・リーグ先発投手
則本昂大(楽天)3.8
菊池雄星(西武)2.9
東浜巨(ソフトバンク)2.6
美馬学(楽天)2.6
野上亮磨(西武)2.4
○パ・リーグ野手
秋山翔吾(西武)4.3
近藤健介(日本ハム)3.8
源田壮亮(西武)3.2
柳田悠岐(ソフトバンク)3.1
茂木栄五郎(楽天)3.1
この比較では広島の丸、西武の秋山が両リーグで最も貢献度が高い。両リーグトップの数字を誇る丸は交流戦でも打率1位の.411と活躍。今季通算でも打率.333(セ2位)、12本塁打(同6位)、46打点(同3位)、41四球(同3位)、7盗塁(同9位タイ)といずれも上位に位置し、出塁率.420はリーグトップだ。
セイバーメトリクスの指標でも上位につける丸と秋山
セイバーメトリクスの指標を見てみても、wOBA(※打者が打席当たりにどれだけチームの得点増に貢献しているかを評価する指標。総合的な打撃力を表す)は.428、wRC(※打者が創出した得点数を表す指標。数字が大きいほどチームに多くの得点をもたらしている打者と評価でき、リーグ全打者のwRC合計はリーグの得点数合計に等しくなるという性格を持つ)は58でいずれもリーグ1位。中堅の守備でもUZR(※守備の貢献を同じ守備位置の平均と比較して得点化した守備指標)は3.9で、桑原将志(DeNA)の5.6に次いで2位に位置する。
一方の秋山も好成績を維持。打率.331(パ2位)、14本塁打(同6位タイ)、36打点(同10位)、42四球(同4位)、9盗塁(同5位)で、出塁率.437もリーグ2位と上位につける。またwOBAも.441でパ2位、wRCも59で同1位となっており、中堅の守備ではUZRが1.5でリーグ2位となっている。
これから球宴を経て後半戦へと突入していくプロ野球。今後も両選手が好成績を維持してチームを牽引していくのか。それとも他選手が両者を追い抜くような活躍を見せるのか。残りのシーズンもハイレベルなプレー、戦いが期待される。