ドローンが暴き出す、アフリカの「不平等」な風景:画像ギャラリー

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まるで定規で引いた線によって分けられているかのように表情が異なる2つの地域。片方は綺麗に整備された家が立ち並び、もう片方はスラムのように掘立小屋がひしめき合う。ドローンが上空から写し出す風景は、アフリカにいまだ残る経済格差を鮮やかに可視化する。

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経済格差が広がっていると耳にすることはあれど、日ごろ圧倒的な経済格差を感じる機会は少ない。ニュース番組や報道写真はスラムの景色を写し取ることでリアルな貧困をぼくらに見せつけるが、そのあまりの壮絶さは、かえって非現実に感じさせる。しかし、貧困とは決して別世界の出来事ではない。

写真家ジョニー・ミラーはある日、ドローンを使って、南アフリカのケープタウンでそこにある社会問題を撮影しようと思い立った。空撮によってケープタウンの美しい風景をとらえた写真は数多く見られたが、社会問題をとらえる作品がなかったことが気にかかっていたのだという。2016年3月、ドローンを購入したジョニーはまず初めにケープタウンを撮影し、現在はナイロビなど各地を回って撮影を続けている。

こうして生まれた『Unequal Scenes』は、日常に存在する貧困や不平等、差別を鮮やかに可視化する作品だ。ジョニーが撮影した写真には2つの地域が写っている。片方の地域は区画整理が行われ、綺麗な家が建ち並んでいる。一方、もう片方の地域は大小さまざまな掘っ立て小屋がすし詰めにされており、舗装された道路すらない。地上にいると2つの地域のコントラストは感じられないが、上空から見ると2つの地域はまるで水と油のようにくっきりと分かれている。

こうした景色を生み出す経済格差のいくつかは「アパルトヘイト」のような人種隔離政策により人為的に生み出されたものだ。アパルトヘイトが終結してから20年以上もの月日が流れてはいるが、いまなお格差は存在する。壁や道路によって隔たれたコミュニティはそれぞれ広がっていくが、決して混じり合うことがない。

「ドローン撮影が面白いのは、人々が知っていると『思い込んでいる』場所に対して新しい視点を与えてくれるところだよ」。そうジョニーは語る。『Unequal Scenes』は単に世界の経済格差を視覚化しているばかりでなく、文字通り視点を変えて物事を見ることの重要性を教えてくれるのだ。

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