クロス対応では、GKクォン・スンテと昌子(3番)が衝突し、クリアできずにシュートを打たれる場面も。コミュニケーションを含め、連係のさらなる向上が必要だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[FUJI XEROX SUPER CUP 2017]鹿島3-2浦和/2017年2月18日/日産スタジアム
 
 前半だけで2点を奪い、後半に入っても鹿島はしばらくは危なげなくゲームを進めていた。
 
 しかし、74分にPKで失点を許すと、その1分後には左サイドを崩されて再び、失点。わずか2分間で試合を振り出しに戻されてしまった。
 
 最終的には、鈴木優磨のゴールで勝利を収めることができたのは、‶鹿島らしい″勝負強さだった。逆に、簡単にゴールを許し、一時は同点とされたのは、手堅いサッカーが持ち味の‶鹿島らしくない″失態だった。
 
 立て続けに失点を喰らったのは、なぜか。「2-0は一番危ないスコア」と振り返るGKのクォン・スンテは、コミュニケーションの部分で難しさを感じていたようだ。
 
「2-0から失点を許すと、チームの雰囲気が悪くなる。それは韓国でもたくさん経験してきたし、なんとかしようとしたけど、もう少し日本語で伝えられれば……」
 
 また、失点を許した74分、75分は最も危険な時間帯だったとも振り返る。「70分頃から集中力が低下してくる。気を付けないといけない」と、反省の弁を述べる。
 
 相手のボールホルダーに対する寄せの甘さ、ルーズボールへの対応の遅れなど、積み上がっていけば失点につながる一つひとつの細かい部分で、少なからず油断があったのだろう。
 
 一方、CBの昌子源は2失点の原因について「集中力……ではない気がする」との見解を示す。それはDFリーダーとしての強い責任感からきているのかもしれない。「ナオ(植田直通)とたくさん話した」と、問題点を洗い出し、すぐに修正に取り掛かるつもりでいる。
 
 もっとも、クォン・スンテは「今日は良い勉強になった」とポジティブに捉えている。21日にACL初戦が控える鹿島にとっては、さらに気を引き締めるためには必要な2失点だったのかもしれない。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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