AFX通信によると、独金融・保険大手アリアンツは、ロンドンに拠点を置く資産管理子会社アリアンツ・スペシャライズド・インベストメンツ(ASI)を通じ、今後5年にわたって3億−5億ユーロ(約400−660億円)を風力発電事業に投資する計画を明らかにした。ASIは現在まで、すでに2億ユーロ(約265億円)を再生可能エネルギー事業に投資しており、同事業部門強化の一環。

  一方、同社は天候変化リスクを金融事業のなかでとらえる方法についての報告書をまとめ、併せて発表した。アリアンツ取締役兼アリアンツ・グローバル・インベスターズCEO(最高経営責任者)のヨアキム・フェーバー氏は、「気候変化は、金融業界にとっても大きなコストになる。保険、投資、信用貸付などにおいて、我々のクライアントと株主のために、これらのリスクを考慮に入れる義務がある」としている。

  気候変化によってもたらされる嵐、水害、熱波などのリスクは、保険セクターへの直接的な影響をもたらすため、アリアンツはこうしたリスクをカバーするために、将来的なプレミアムの引き上げがあり得るとした。保険子会社アリアンツ・コーンヒルのアンドリュー・トランスCEOによると、気候の変化によって対物損害の可能性は毎年2−4%ほど上昇しており、2004年の気象関連損失は320億ユーロ(約4兆2400億円)に上るという。このため同CEOは、場合によっては、天候の著しい変化を反映して、保険会社が保険コストをリスク・ベースで調節するなかで、対物損害のプレミアムが上昇する可能性がある、とリスクが保険料に上乗せされる可能性があるとの見方を示した。 【了】