1985年に世界遺産に登録されたセゴビア(Segovia)。

セゴビアはスペインの首都であるマドリッドから新幹線で30分、バスで行っても1時間とちょっとの場所にあるため、そのアクセスの良さから多くの人がエクスカーションとして訪れる街。

ローマ帝国時代1世紀に造られたであろうといわれている、杭も使わず石を積み上げた水道橋(Acueducto)と、ディズニーがモデルにした白雪姫城(Alcázar)が有名な街、それがセゴビアです。

ところがこの街の見所である水道橋と白雪姫城の2つは、セゴビア旧市街の両端にあるため、その2つだけに注目してしまいがちです。

今回は、スペインで観光ガイドをしている筆者が、セゴビアの観光でちょっと知っておくと、よりセゴビアを楽しめる、そんなポイントを12つほどお伝えいたします。

ポイント1. サン・ミジャン教会(Iglesia de San Millán)
バスターミナルから水道橋に向かって2分ほど歩くと、左手に広場があり、真中にポツンと味わいのある教会が建っています。

数ある教会の中でも、最も古い教会のひとつであるサン・ミジャン教会は、レコンキスタ直後の11世紀に造られたムデハル様式です。

立ち止まって見てください。周りの低い家並みとマッチし、奥には大聖堂も見えますよ。

ポイント2. 風見豚
水道橋の広場に着くと、そのあまりの見事さに、水道橋の写真をあっちからこっちから、たくさん撮りたくなるかもしれません。

でも、ちょっと他も見てみましょう。

水道橋のすぐわきに、子豚の丸焼き(Cochinillo Asado)の老舗、銅像までおいてあるカンディード(Candido)がありますが、屋根をよく見てください。

風見鶏の代わりに風見豚が乗っています。

ポイント3. コウノトリの巣
水道橋のアーチからずっと先に教会の尖塔が見えますが、てっぺんと四隅にコウノトリの大きな巣が乗っています。

上を見ながら歩くと、いろいろな所にあるのが分かるはずです。

白雪姫城の庭園にある木のてっぺんもつぶれてます。

コウノトリは、毎年1月につがいで戻ってきて、家の修理、子育てをして、7月に飛び立っていきます。

セゴビアの街歩きではコウノトリの巣にも注目してみてください。

ポイント4. 姉妹店はそろっているのにザラ(ZARA)がない
大聖堂のあるマジョール広場にはお洒落な店がたくさんあります。

例えば、マッシモ・ドゥッティー(Massimo Dutti)

こちらは実はザラ(ZARA)よりだいぶ高級なお店ですが、ザラ(ZARA)の姉妹ブランドです。

ザラ(ZARA)よりちょっと手頃なザラ(ZARA)の姉妹ブランド、プル・アンド・ベアー(Pull and Bear)もあります。

ザラ(ZARA)よりとってもお手頃なザラ(ZARA)の姉妹ブランド、べルスカ(Bershka)。

ここまでザラ(ZARA)の姉妹ブランドがそろっているのに、セゴビアにはザラ(ZARA)がありません。

ポイント5. 子豚の丸焼きだけじゃない、特産品
セゴビアは子豚の丸焼きの発祥の地として知られていますが、花豆(Judiones)の煮込み料理もセゴビアの美味しい料理の1つ。

またアーモンドの粉とマジパンで作る、甘いセゴビアのお菓子、ポンチェ・セゴビアーノ(Ponche Segobiano)もセゴビア名物。

セゴビア県リベイラ・デ・ドゥエロ産(Rivera de duero)のワインはリオハ産のワインと1、2を競うほど美味しいと、スペインでは有名です。

セゴビアに来たら、セゴビアの美味しいグルメを堪能してみてください。

ポイント6. 気づいてほしい、壁の型押し
街歩きの中では建物の壁を良く見てみてください。

壁が汚くなったり、崩れたりするのをカモフラージュするために、壁にいろいろな模様が型押しされています。

様々な壁の模様を楽しみながら街歩きをしてみるのもいいかもしれません。




くちばしの家(Casa de Picos)にも

白雪姫城にも壁の型押しがあります。

ポイント7. のっぺらぼうのスフィンクス
サン・マルティン広場(Plaza de San Martín)には16世紀の今でいう農業組合長フアン・ブラボー(Juan Bravo)の像があります。

その手前にあるスフィンクスの像は、顔がすこし消えかけており、のっぺらぼう、のようです。

たくさんの子供たちがこのスフィンクスと遊ぶので、顔が消えつつあるそうです。

ポイント8. 大聖堂(Catedral)のドームは鳥だらけ

水道橋から白雪姫城に向かう、ちょうど中間にあるマジョール広場。

ここにはルネッサンスの最盛期に造られたスペイン最後のゴシック様式の大聖堂があります。

このスペイン最後のゴシック建築の大聖堂は、その美しさから「西洋の貴婦人」と呼ばれています。

「西洋の貴婦人」と呼ばれている大聖堂にはたくさんの鳥が住んでいます。

ポイント9. サン・ミゲール教会(Iglesia de San Miguel)
レコンキスタをやり遂げ、コロンブスをアメリカに送り出したカトリック女王イサベル1世(Isabel I)は1474年12月13日、23歳の時にここセゴビアのサン・ミゲール教会で女王として戴冠式を行います。

そのため、彼女無しでは現在のスペインはないとまで言われています。

そんなスペイン発展の基礎とも言える場所の1つ、それがサン・ミゲール教会なのです。

ポイント10. バルでのお通しは無料!
マジョール広場の周りの脇道を入った場所には何軒ものバルがあります。

そんな場所ではとても美味しいタパス(スペインのおつまみ)を楽しむ事ができます。

さらに嬉しいのが飲み物を頼むと1杯につき1つのタパスを無料で楽しめる事。

並んでいるタパスの中から好きなものを選んでみましょう。

もちろん2杯注文するのなら2つのタパスを無料で楽しめます。

ポイント11. 壁の紋章
マジョール広場を過ぎ、白雪姫城に向かう道の家の壁には、紋章を見ることができます。

実はスペインでは現在も貴族制が続いています。

貴族の館が旧市街の中にもあり、壁にはそれぞれの家紋が施されています。

現在の王家ブルボン家の紋章は百合です。

ちょっと変わった紋章も見る事ができます。



白雪姫城に向かう道ではかわいい猫にも出会う事ができます。


ポイント12. 実はセゴビアには清流がある
白雪姫城の見学あとは、底まで見える澄んだ川のほとりを散歩しながら、お城を見上げる芝生まで行きましょう。


名所とされている所からは見えないので、セゴビアに川があることを知らない人が多いかもしれませんが、エレスマ川(Río Eresma)とクラモレス川(Arroyo Clamores)が、お城を囲んで流れています。


カモも気持ち良さそうに泳いでいます。

このきれいな川の水は、昔からあるスペインにある3つのブランド・ミネラル・ウォーターのひとつベソージャ(Bezoya)の元水です。

まもなくセゴビアの町中も周りも冬の銀世界になるでしょう。

寒いけれどもワインと子豚と花豆の煮物を味わいながら、素晴らしい景色を満喫してみてはいかがでしょうか?