ボイメン旋風が全国に吹き荒れそうな予感! BOYS AND MEN水野 勝&田村侑久インタビュー
2010年に結成され、東海エリア出身・在住のメンバー10人で活動中のBOYS AND MEN(通称:ボイメン)。3曲連続でオリコンチャート1位を獲得し、レコード大賞新人賞を獲得するなど、大活躍の1年だった彼らの勢いは止まらない。12月14日にアルバム『威風堂々〜B.M.C.A.〜』をリリースし、2017年1月には初の武道館ライブを開催。全国区でも人気急上昇中のボイメンの魅力を、リーダーの水野 勝と田村侑久から探った。

撮影/アライテツヤ 取材・文/江尻亜由子         

名古屋を盛り上げたい! 町おこしをしたい!



――ボイメンというと「泥臭い」「暑苦しい」というイメージが特色で、「エンターテイメント集団」と謳っていますよね。そこには特別なこだわりがあるんでしょうか?

水野 僕たちは、地域密着型なんです。地元愛や、地元を盛り上げたいっていう気持ちがすごく強いんですね。だから、有名になって大きなところでライブをやって…みたいなことだけじゃなくて、自分たちが活動している本拠地・名古屋を盛り上げて行きたい、町おこしをしたいっていう思いがあって。そういう意味で、「エンターテイメント集団」だと思ってます。
田村 僕らの強みは、他のグループにはない親近感だと思ってます。ファンの方とも触れ合う機会が多いですし、身近な存在なんじゃないかなと。

――今日の取材は水野さんと田村さんのおふたりですが、撮影中から大盛り上がりの現場でした(笑)。10人も集まると、さらににぎやかになりそうですけど、全メンバーで活動する現場は、どんな感じですか?

水野 みんな体育会系なので、部活みたいですね。みんな、いい意味でアホですし。「本当に仲いいんですか?」「10人もいると、派閥とかできませんか?」ってよく聞かれるんですけど、派閥はまったくないです。
田村 基本的に仲が悪いんで、派閥とかないっす! LINEとかブロックしてるんで、お互いに。
水野 ……。実際は、家族みたいな感じですよ(笑)。

――メンバー同士の関係性を表現すると、友だちや同士というよりも…

水野 家族ですね。結成当時からいろんな悩みを共有してきたし、苦しいときも一緒にがんばって乗り越えてきた。ライバルでもあるんですけど、いいとこも悪いとこも含めて愛するっていう部分では、家族に近い感じです。
田村 だから、居心地は悪くないですね、ホントに。

――でももちろん、最初からそういう関係ではないですよね。

田村 最初なんてバチバチ。ケンカもしょっちゅうしてたし。
水野 みんなそれぞれ、個性が強いから。
田村 それを得て、悟りを開いた感じで。
水野 「経て」ね(笑)。

――(笑)。メンバーの結束が固まった出来事みたいなものってあります?

水野 「これがあったから」っていうよりも、厳しい状況のなか、一緒に揉まれてきたことで結束が強くなったんだと思います。今でもよく話すのは、初期の頃、メンバーみんなでチラシを配りながら、公園で練習していたときのこと。必死に配っても受け取ってもらえなかったリ、目の前で破られてしまったりとか。そういうときの「いつか絶対に見返そうな」って思いを共有してきてるので。
田村 ボイメンって、目の前にいつも目標があるんですよね。今だと武道館ライブだったり、その前だと日本ガイシホールで1万人ライブをやるとか。常に、乗り越えるのが難しい目標をクリアするためにみんなで走って達成して、ちょっとずつメンバーの絆が強くなってきたんだと思います。

――そうやって活動されてきた結果、レコード大賞新人賞を獲得し、年明けには武道館ライブも決定しています。現在の状況を、どのように受け止めてますか?

水野 うーん……まだまだって思うことのほうが多いですね。いろんなメディアに取り上げてもらえるようになったのはありがたいですけど、ようやくスタートラインに立てたかなっていう。
田村 たしかに。僕もまだ、知名度が上がってきたっていう実感はないかな。
水野 ただ、実際に全国いろんなところを回っていると、僕らを待っててくださっている方がいっぱいいることに気づいたり。小学校の演目で僕たちの曲をやったっていう話を聞いたりすると、やっぱりすごくうれしいです。


▲(左から)水野 勝、田村侑久


――ところで、個性豊かなメンバーの中で、おふたりはどういうポジションなんでしょう?

水野 僕はリーダーなので、まとめ役ですかね。田村は“にぎやかし”。

――水野さんは以前のインタビューで、田村さんのことをボイメンのムードメーカーで「アホの天才だ」と言ってましたよね。

田村 「アホの天才」って何ですか!
水野 ボイメンには何人か、それぞれのベクトルのアホがいるんですけど。田村は、奇想天外なアホですね。小さい頃はよく、水たまりの水を飲んでたみたいで。

――えっ!?

田村 そうっすね。毎日ランドセルと一緒に水筒を持って小学校に行ってたんですけど、学校でお茶を全部飲んで、帰りには毎回おたまじゃくしを水筒いっぱいに入れて、お母さんに渡してました(笑)。
水野 小学校のときの将来の夢は何やったっけ?
田村 トカゲになること! 小学校のとき、トカゲが超好きだったんですよ。卒業文集に「トカゲになりたい」って書いてて。トカゲをポケットの中に入れたり、いつも持ち歩いてました。
水野 ……こういうジャンルの、アホです。

――そもそもトカゲって、そんなに周りにいます?

田村 それがいるんだなっ。田舎にはいるんですよ。同じ愛知でも、名古屋市は都会だけど、僕は知多半島のあたりに住んでて。家を出たら目の前がすぐ崖で、その下に森が広がってて、いつもその森で遊んでました。

――野生児だったんですね。

田村 森で育ちましたから。木登りとか超得意だし、木から木に渡って行くゲームをずっとやってたので。運動神経はいいんですよ。




“ギガモンスター”水野と“奇想天外なアホ”田村!?



――メンバーが集まると、どういう話題で盛り上がりますか?

水野 僕がおもしろい動画を見つけては、「こういうのあるよ」って教えたり。
田村 リーダーは動画がすごく好きなので、夜中に「こんなの見つけた」って動画を送ってきたりするんですよ。

――水野さんは、動画を見すぎてすぐ通信速度が遅くなるそうで。

水野 そうです。“ギガモンスター”っていうあだ名があります(笑)。
田村 ホントに容赦なく容量を使い切って、回復したらすぐにまた使っちゃうんだから。バカなんですよねぇ。
水野 おい(笑)。

――どういう動画を見るんですか?

田村 基本的にはエロですよね?
水野 まぁ、エッチなやつも見ます。

――それ言っていいんですか(笑)。

水野 大丈夫です(ニコッ)。格闘技がすごく好きなので、格闘技系の動画。あと、最近ハマってるのが、10トンのプレス機でいろんなものをつぶすっていう。
田村 それ、俺も見てる(笑)。
水野 スーパーボールとかビー玉とか、「つぶしたらどうなるんだろう?」っていうものをつぶしてみる実験動画なんですけど、見ていて気持ちがいいんですよ。

――水野さんはそういう動画をメンバー内で流行らせているということですが、田村さん発信で流行らせたものって、何かあります?

田村 ……?
水野 あんまり自分から発信せんよな? ひとりでハマってるパターンが多いです。音ゲーとか。
田村 ゲーム系は得意ですね。のび太くんなんで。勉強はできないけど、鉄砲は上手いぞ♡っていう感じ(笑)。

――お仕事について白熱トークを繰り広げることもありますか?

水野 もちろんあります。基本的にみんな根が熱いので。ライブ前には必ず円陣を組むんですけど、そこで一度、意思統一をして。僕が先頭を切って「こうしよう」って言って、ステージに立つっていう。
田村 僕ら、ライブ前だけじゃなく、どんな仕事の前でも円陣を組むんです。今日もふたりで、さっきやったよな!
水野 (食いぎみに)やってないです。

――(笑)。メンバーのLINEグループもありますか?

水野 ありますね。
田村 え、あるの!? 俺、入ってないよ。
水野 ……。もういいのよ、そういうのは(笑)。

――そのLINEグループに、水野さんがおもしろ動画を投下したりとか?

田村 いや、動画とかは、個人で。
水野 メンバーひとりひとりのニーズに合ったヤツを、僕が直接送ってます(笑)。
田村 ホントにこの人は、欲してるものをちゃんと送ってくれるんですよ。
水野 お客様のご要望にお応えして。
田村 お世話になってます。

――ちなみに、田村さんにはどのような動画を?

水野 お客様のプライバシー保護のため、ここで言うのは控えさせていただきます(笑)。



覚悟を決めて…脱サラして芸能界入り!



――おふたりは、もともと芸能界に興味があったんですか?

水野 僕は……なかったですね。
田村 コイツはあれですよ、スカウトされて入った“選ばれし者”なんです。みんなが憧れる「興味なかったけど、スカウトされたんで」っていう。
水野 いやいやいや。

――オーディションを受けたりしたこともなかったんですか?

水野 1回だけ、おかんが書類を送ってっていうのはありましたけど…。僕、5歳からサッカーをやってたので、ずっとサッカーに夢中で。スカウトされるまで芸能界には興味がなかったんですよね。ボイメンで活動するようになってから、歌や芝居のおもしろさを知りました。

――田村さんは、ボイメンに入る前に3年間、会社員として働いていたんですよね。

田村 基本的に目立ちたがりだったので、もともと芸能界には興味あったんです。だから高校の先生に進路相談でその話もしたんだけど、「普通に就職したほうがいい」って。そりゃそうですよね(笑)。で、俺も流されやすかったし、自分に芸能界は無理だと思ってたから、会社に入ったんですけど。

――働き始めて、やっぱり違うな、と?

田村 1年くらい経ったときに、20年後に「俺の人生楽しかったな、やり切ったな」って思えるかな?と思ったら、「いや、思えんな」と。ただ、生活は安定しているし、会社を辞めるのは…っていうところで悩みましたね。でもある日、ボイメンの公演があると知って、観に行ってみるかと。で、「コイツらすげぇじゃん」「こんな熱いヤツらと夢を追いかけたい」と思って、次の日「辞めます」って上司に伝えました。

――ボイメンのほうに「入りたいです」っていう話をしてからではなく?

田村 その前に辞めました。辞めますって言った後に思ったんですよ。「あ、オーディションに受かってから辞めるべきだった」って(笑)。

――会社を辞めたことに対して、ご家族の反応は?

田村 うち、父親がめっちゃ厳しいんですよ。ちゃぶ台返しするような昭和の親父なので、報告したら絶対に反対されるなと思って。……どうしたかっていうと、親父には内緒にしたんです。そのかわり、生活面で親には頼らないし、実家に帰らないって決めて。

――そこまで覚悟したうえでの決断だったんですね。

田村 そうです。ただ母親は心配性だから、ボイメンの舞台を観に来てくれてましたね。今では両親に応援してもらってます。




――そんな経緯で田村さんがボイメンに加わったあと、おふたりが最初に会ったときのお互いの第一印象って覚えてますか?

田村 僕は覚えてますよ! 勝さんは大先輩ですから。
水野 田村がボイメンに入って3日目に、僕はもうステージに出てたもんね。
田村 そうなんすよ。みんなまだ何の仕事もないのに、勝さんだけ番組のレギュラーがあって。
水野 まっ、そうだなっ!(ドヤ顔)
田村 舞台袖でお会いしたときに、「お疲れさまでした」って挨拶したんですけど、勝さんに優しく声をかけていただいて。「名前なんて言うの?」「田村侑久です。よろしくお願いします」「年いくつ?」「20歳です」「なんだ、同い年じゃん。あぁ、俺? 水野 勝!」…つって!(笑)

――水野さんのキャラが、今と全然違うんですけど(笑)。

水野 はい…。あの頃の僕はトガッてたんで(笑)。
田村 今考えると「コイツ気持ち悪いな」と思うけど(笑)、あのときは「やっぱ芸能人は違うなぁ」って。カッコよかったっすねぇ。

――水野さんはそのときのことを覚えてます?

水野 あんま覚えてないんですよね。ボイメンって、最初60人くらいいたんです。僕はスカウトされて「稽古場に来い」って言われて行ったら、そこに60人いるじゃないですか。「コイツらに舐められたらいかん」って思っちゃって。だから僕の第一印象、最悪だったと思います(笑)。



根っこは一緒? 急速に2人の仲が近づいたワケ



――そんな出会いから始まり、おふたりの距離はいつの間にか近くなって…?

水野 わりとすぐ仲良くなったよね。
田村 すぐ! ホント、すぐだった。やっぱり同い年だったので。
水野 お互いを「田村ッチーニ」「勝ッチーニ」って呼びあってた(笑)。
田村 そうそう! ちょっと前まで、勝から電話が来ると、表示が「勝ッチーニ」だった(笑)。やっぱ僕ら、けっこう似てる部分があるんですよ。コイツは普段リーダーとして真面目なんですけど、中身はコレなんで。根っこは一緒なんです。

――現在に至るまでのあいだに、お互いの印象ってどう変わりました?

田村 僕は今でも、あぁ〜もうカッコいい♡って。
水野 (無視して)変わったこと、そんなにないですねぇ。でも、目の前の目標を見定めたときの田村くんは非常に強いし、僕はすごく尊敬してます。
田村 勝くんは、やっぱりなんだかんだで、本番にズバ抜けて強いんですよ。覇気というか、オーラを放ってるので。すごく素敵な存在……あ、言っちゃった♡

――ちなみに、オフの日はそれぞれ何をして過ごすことが多いですか?

水野 僕は格闘技をやってまして。アクションがやれるようにって、ジムに通っています。シュートボクシングっていうのをやっていて、今では試合に出られるくらいになりました。

――仕事のために始めたけれども、趣味みたいに楽しくなって?

水野 すごく楽しいし、すごくしんどいんですよ。でも、しんどいときほど自分と向き合えるので、大事な時間ですね。趣味としては、映画やドラマを見たりとかもしますね。

――田村さんはいかがですか?

田村 オフの前日はめっちゃテンション上がるんですよね。「明日は何しよ、何しよ?」って考えながら、とりあえず寝ます。テンションが上がってるから、翌日はいつもより早く目が覚めちゃって。で、「さぁ何しよ? これもいいな、あれもいいな」とか考えてるうちに昼が過ぎ夕方になり……「うわ、ヤバい、もうこんな時間!?」ってなって、結果、チラシ配りに行きます。

――えー! 「買い物に行きたい」「ここに遊びに行きたい」とか思ったりは?

田村 「休みの日に遊んでていいんかな?」って考えちゃうんですよ。
水野 罪悪感だよな。わかる。
田村 ゲームとかやっててもめっちゃ焦ってきて。「やっぱチラシ配りに行こ」ってなるんです。チラシを配ってると、めっちゃ安心するんですよ。「あぁ、いいオフだったぁ」って(笑)。

――田村さんは心配性なんですかね。

田村 そう、心配性なんです。あと、名古屋に大須商店街っていうところがあって、そこは昔、毎日毎日チラシ配りに行って歩いてたので、お店の人たちとすごく仲よくて。喫茶店を経営してるおばあちゃんのところに遊びに行って、コーヒー飲んでおしゃべりして、みたいな。
水野 老後か!(笑)
田村 商店街のおじいちゃんやおばあちゃんにかわいがってもらってるんです。まぁ自分でも、老後みたいな生活してんなって思うけど(笑)。