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IoTは、これまでの世界で主流だったものとは相反する概念と言えるだろう。

インターネットであることには違いないが、このカテゴリーに属するデバイスが処理するものやその機能性といったものがまったく異なるのだ。そのデバイスのうち複数の目的を持っているものもあるが、多くはスクリーンを持たず、特定の状況やテーマにおけるデータを集め提供することに専念している。

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そして、IoTは車から万歩計まで想像できるだろうあらゆるモノを含んでいる。あなたの周りにある空気(レベルの超小型センサー)すら情報を収集しレポートしうるのだ。ただ、この『スマートダスト』の概念は長きに渡って議論され続けているものの、まだ実現されていない。

まだ実現はしていなくとも、その概念が革新的であればあるほど、IoTが多様な「開発プラットフォーム」であるということを表す1つの大きな例でもある。IoTの関わる領域を俯瞰的に見てみるとその開発の「多様性」をより実感できるはずだ。

IoTと将来のエンジニアリング

エンジニアたちはIoT開発に力を向けており、工業やヘルスケア、コンシューマ市場を対象としたソリューションづくりを性急に進めている。Evans Data Corporationの最近の調査によると、現役エンジニアの45%はIoTソリューションが長期の開発戦略における重要なものだと考えているという。

同じことはハードウェアエンジニアにも言える。大きな工業機械を相手にするか、小さなセンサーを手がけるかに関わらず、IoTは常に話題となっている。

IoTの覆う範囲が家庭や自家用車、家の箪笥にまで及びつつある時点でイノベーションの余地が大量に存在しているというのは、言うまでもない事実だ。

ほとんど限りのない開発プラットフォーム

というわけで、何らかの開発経験があり、スマートデバイスをIoTに投入する何らかのコンセプトがあるならば、次にやることはプロトタイプをつくり上げることだろう。ありがたいことに開発プラットフォームの選択の幅は多くある。

ハードウェアの観点からいうと、『Arduino』のプラットフォームから始めるのがいいだろう。Arduinoと互換性のあるボードにはさまざまなサイズがあり、あなたの目的に合わせて選ぶことができる。また、統合されたソフトウェアプラットフォームも、具体的に何かを創造することを容易にしてくれる。

公式にサポートされているArduinoはIoTからウェアラブル、ロボティクス用途に至るまでさまざまなものがある。そして、Arduinoはオープンソースハードウェアであるため、Arduinoのプラットフォームと互換性のあるものであればノンオフィシャルなボードも数多く入手することができる。

■Arduino

子供がハード/ソフト開発の基礎を学ぶためのウェアラブル開発キットすら存在する。

■Raspberry Pi

また、『Raspberry Pi』も素晴らしいIoT開発のためのハードウェアプラットフォームである。『Node-RED』などの無料のツールはデジタルソリューションとして扱うのに、エンジニアに人気のある選択肢である。Raspberry Piは、小さなコンピュータで作成した多くのIoTソリューションを紹介するブログも運営している。

■Intel

さらに本格的なプロジェクト向けには、Intelが提供するIoTプラットフォームがある。この製品の主なセールスポイントは、セキュリティが保証されており、デバイスおよびクラウドへの接続が容易で信頼性がある点である。ローカルゲートウェイからデータセンター、クラウドデータ解析までスケーラブルなソリューションを数多く構築できる。

IoT開発のいいところは、プロトタイプを作り上げるためのオープンソースツールが容易に手に入るという点だろう。コンセプト自体がまだ新しいものであるため、生活をよくするためのソリューションが限られた企業だけにコントロールされるような状況にはなっていない。これらソリューションはコミュニティによって作られており、スタートアップ企業などにとっていい状況である。

ありふれたモノをスマートにすることは、非常に新しい革新的な方法を作成するということと同じである。こういた有意義なことをするために必要なプラットフォームが、すでに数多くあるということのありがたさを改めて感じるところである。

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ReadWrite[日本版] 編集部
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