夏の冷たいスイーツの定番と言えば、かき氷。なかでも近年人気が高まっているのが、雪花氷(シェーファービン)だ。雪花氷は、雪のようにふわふわな食感が特徴的な台湾式かき氷のこと。今回は、そんな台湾式かき氷が作れるドウシシャ「電動ふわふわとろ雪かき氷器 DTY-16BK」(以下、DTY-16BK)で、いろいろなかき氷を楽しんでみる!

どんなかき氷が作れるの?

DTY-16BKの基本的な構造はモーターで氷を回転させて刃で削る一般的な電動かき氷器と同じだが、細かく薄く削る台湾式かき氷を作れる刃の角度にしているという。さらに刃の高さは任意で変えられるようになっており、削り具合を調整可能。この仕組みを利用すれば、ふわりと軽い台湾式とシャリシャリ食感たまらない日本式の両方を1台で楽しむことができるのだ。さっそく、本当に削り分けができるのかを実践しながら仕組みもチェックしていこう。

サイズは145(幅)×340(高さ)×185(奥行)mmで、重量は1.2kg。収納場所からの持ち運びも苦労せずに済みそう

DTY-16BKで使用できる氷は、付属のカップで作ったもののみ(2個同梱)。カップに凍らせたい液体を入れて冷凍庫で凍らせよう。冷凍庫のパワーや液体の温度・種類にもよるが、筆者が水を凍らせた時には4時間ほどかかった

上部のカバーを外すと、氷を入れるケースと刃が現れる。カバーの下のほうに見えるスパイクは、氷を押さえるためのもの

氷を速やかに本体にセット。カップに溝があるおかげか、カップ底を押すと比較的簡単に氷が取り出せた

氷を速やかに本体にセット。カップに溝があるおかげか、カップ底を押すと比較的簡単に氷が取り出せた

刃の高さを変えるネジは氷を細かく削るか粗くするかの調整をするほか、空回りする時には氷に刃が当たるように運転中に回したりもする

ネジを回してみたところ、わずかに刃の出っ張りが変わった。出っ張りが少ないと細かく、大きいと粗い粒度となるようだ

氷を受ける器を置いたら、いよいよ運転してみよう!

氷を受ける器を置いたら、いよいよ運転してみよう!

本体上部にあるスイッチを押している間だけ作動する仕様なので、開始・停止が素早く行える

本体上部にあるスイッチを押している間だけ作動する仕様なので、開始・停止が素早く行える

冷凍庫から出したカチカチの氷を、細かめの設定で運転してみたところ勢いよく氷が削られた(下の動画参照)。

比較的日本式に近い印象だが、カップで売られているようなかき氷のような“氷”とは異なる。粉雪のようで口どけがよく、一気に食べても頭がキーンとならなかった

刃の高さを変えて粗めで削ってみると、なじみのある粒感に! この粗さで作れば、シャリシャリを楽しむかき氷ができそうだ

上のかき氷もふわふわで満足はしているのだが、本当に狙っていたのはピーラーで削ったような薄さのあるかき氷だ。普通の水を凍らせたものでは作れないのかと刃の高さを変えつつ何度か試してみたところ、見事成功! 下の動画のように、削り出される様子からもまったく異なるかき氷ができていることがわかる。確実な法則は見出せなかったが、少し溶け始めたぐらいの氷のほうがこのような削れ具合になりやすかった。

かつらむきしたかのような薄いかき氷で、ふわふわ度は上で作ったものの比ではない。氷ではなく新雪という感じだ。口に含むと冷たいけれど不思議と刺激がなく、「なんだ、これ!?」という衝撃を受けた

削られた氷に、普通にシロップをかけて楽しむもよし! 冷たさによる刺激がないので、一気に食べれてしまう

削られた氷に、普通にシロップをかけて楽しむもよし! 冷たさによる刺激がないので、一気に食べれてしまう

上質な氷という感じなので、きなことハチミツをかけて大人テイストでいただくのもあり

上質な氷という感じなので、きなことハチミツをかけて大人テイストでいただくのもあり

The 台湾式かき氷を作ってみる!

一般的に台湾式かき氷は、味をつけた氷を用いることが多い。果汁などの糖度が混じることにより粘度が出て、とろりとした食感になるのだ。そんな食感を確かめるべく、付属のレシピにあるいろいろなかき氷を作ってみた。ちなみに、氷にする材料はすべてボウルで混ぜ合わせただけ。

味付けする場合も専用のカップで凍らせて、上で紹介したとおりの手順で削る

味付けする場合も専用のカップで凍らせて、上で紹介したとおりの手順で削る

マンゴーピューレとオレンジジュース、砂糖で作ったマンゴー氷は、とてもなめらかでジェラートに近い感じだ

マンゴーピューレとオレンジジュース、砂糖で作ったマンゴー氷は、とてもなめらかでジェラートに近い感じだ

チョコレートシロップと牛乳、練乳を用いたかき氷は、ほんの少しシャリシャリ感もあるラクトアイス風に仕上がった

いちごジャムと牛乳、練乳を混ぜて凍らせた氷では、いちごの粒感が残るかき氷ができた。いちごミルクシャーベットのような食感でわが子に大好評!

こしあんと練乳、水で作ると、市販のあずきのアイスを“ふわとろ”にしたようなかき氷が完成。なじみある味だけれど、食感が別物で楽しい

アイスに近い感覚なので、クリームチーズもあう。クリームチーズとヨーグルト、砂糖、水を凍らせてかき氷にしてみると、まさに冷え冷えのチーズケーキ。粘度の高い氷はやわらかいので形状を維持するのが難しかったが、味がいいならよいだろう!

オリジナルレシピにチャレンジ!

凍らす時間は同じようにかかるが、準備が簡単にできるレシピに載っていないオリジナルかき氷にも挑戦。まず最初は上で紹介したマンゴー氷をもっと手軽にしようと、マンゴージュースを凍らせてみた。

粒々とした氷ではないが、上で作ったマンゴー氷よりもしっとり感が少ない。糖度の違いなのか、ピューレが入っていないせいかのか……

そこで、糖度は低めだけれど、果実の入った氷ではどうなるのかを調べてみることに。水とシロップを入れた液体に缶詰の桃とパイナップルを投入して凍らせたものをかき氷にしてみた。

ところどころに果肉が混ざっており、食感の差が最高にいい。できたては板状だが、少し時間が経つとしっとりしてジェラートっぽくなる

固形物を用いるのもうまくいくことがわかったので、続いては豆腐を凍らせてみる。豆腐+豆乳でヘルシーなスイーツを作りたい!

薄く、そして細く削いだようなかき氷になり、とろろ昆布のようにふわふわとしている。食べてみると、ほどよく豆腐の味が! きなことハチミツをかけたら立派なスイーツだ。これはイケる

ここまで順調にきたので、ちょっと冒険! 人気で生産が追いつかなくなってしまった「ガリガリ君リッチ コーンポタージュ」のように、コーンポタージュスープを凍らせてみた。

牛乳が入っているので、アイスのような仕上がりになった。刃の高さを「粗い」に調整してみても、ガリガリ君のような氷っぽい感じにはならず。ビシソワーズが好きな人なら「アリ!」な味わいだろう

まとめ

台湾式かき氷と日本式かき氷が作れると聞いた時、切り替えボタンやパーツの交換で作り分けるのだろうと思っていたのだが、刃の高さを調整するだけでどちらも作れるというのはすばらしい。ただ、凍り具合や氷に混ぜた材料によっては思うような削り方ができなかった。その規則性を見つけるのはなかなか難しいが、比較的、砂糖などの甘みを加えると“ふわとろ”になりやすい印象だ。いっぽう、牛乳をはじめとする乳製品を用いるとアイスクリームに近づく。いずれにせよ、食べた時にキーンとするような刺激はなく、昔ながらのかき氷とはまったく違うふわふわ食感が味わえる。

このように理屈をあれこれ考えてはみたものの、途中からはいろいろ作ることに夢中に。今回は手軽さを優先したが、それでもかなりのおいしさ。煮込んだり本格的に味付けしたものを凍らせればワンランク上のかき氷ができそうだし、無添加で健康的なスイーツを徹底するなどいろいろこだわることもできる。創作意欲がもりもり沸くので、お値段以上に使えるはず!

凍らせるのに時間がかかるので氷を作りおきしておきたくなるが、長期間保冷するとかき氷に適さない氷になってしまうそうなので注意。単品で販売されている専用カップを追加購入するのが、一番よさそう

モーターのある本体上部以外は、すべて分解して水洗いできる。細かいパーツがないので、片付けはそれほど手間に感じないだろう


>> ふわふわ食感の台湾式かき氷が作れる「電動ふわふわとろ雪かき氷器」に夢中! の元記事はこちら