5月上旬、普段なら黄色い声援が送られていたであろう芝生の上を、ファンたちの心配そうな声が飛び交う。

「え〜、なんかめっちゃ肌、白いんだけど……」

「なんか足ヒョコヒョコして、ひきずってない?」

そんな中、1人のイケメンがグラウンドの真ん中で脚の具合を気にしつつ、恐る恐るといった感じで踏み出していく……。

ッカー日本代表の内田篤人。“ウッチー”の愛称で、女性からも熱烈な支持を受ける彼がいま、引退の危機にあるという。

「内田選手は現在、ひざの故障でドイツから帰国し、元所属チームの鹿島アントラーズの練習場でリハビリしています」(サッカー雑誌編集者)

久々にウッチーの姿が見られるとあって、練習場には多数の女性ファンが訪れているのだが、憧れの人を目の前にしているのに、彼女たちの表情は暗い。

「ずっと屋内にいたのか、肌の白さに驚きました。ドイツでひと回り大きくなった身体も小さくなって、脚も細くなった気がします。早く復帰してほしいけど、姿を見てもっと心配になっちゃいました……」(見学していたファン)

ウッチーのひざが問題をきたし始めたのは、日本代表として活躍した’14年のブラジルワールドカップが終わったころ。以降、故障を抱えながらドイツでの試合出場を続けたものの、’15年3月から試合出場はゼロ。

「ひざの下にある膝蓋腱という大きな靭帯が、海外でのハードなプレーや疲労で損傷してしまったのです。膝蓋腱は人間の身体でいちばん強いと言われる靭帯ですが、’15年6月に行った手術でだいぶ切除したそうです」(サッカー雑誌編集者)

出術したのなら安心、と思いきや……。

「この故障は一時的に痛みが消えても、すぐ再発するというやっかいなもの。内田選手は昨年時点で“年内に復帰したい”と言っていましたが、今年に入り“シーズン中の復帰を目指す”と、時期を後ろ倒しに。結局、リーグは今月終わってしまうので、それも不可能に」(スポーツ紙記者)

故障についてウッチーは、スポーツ新聞の取材に対してこう語っている。

《年齢とか考えると、もうそろそろ終わりが近いかなって。みんなに「サッカー終わっちゃうよ」と言われるくらい大けがだったから》

彼自身すでに「引退」の2文字が頭をよぎっているようだ。わずか15分ほどで、その日のリハビリを切り上げた内田を直撃した。

――内田選手、ひざの調子はいかがですか?

「…………」

残念ながら反応はナシ。ひざの状態について所属事務所に問い合わせてみた。

「いい方向に向かっています。しばらくは日本でリハビリをして7月を目標にドイツに帰ります。確かにもう1年プレーしていないので、いろいろな憶測が出るのもしょうがない……とは思っていますが、本当にいい状態になってきていますから。これで日本のチームに復帰するということもないです。引退? ないです」