恒例のiPad Pro分解ショー。借り物も分解するiFixit がiPad Proを丸裸に。接着剤多用につき修理難易度は高め

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アップル製品なら借り物でも分解せずにはいられない iFixit が、発売されたばかりの iPad Pro の分解工程を公開しました。過去最大の iPad の中身は、巨大なバッテリーの中央にメイン基板を配置したこれまでとは違うレイアウトがなされています。
 

【ギャラリー】iPad Pro Teardown (9枚)



過去最大のiPad だけあって、ガラス面積の多い前面パネルの取り外しは接着剤を柔らかくするための加熱段階からなかなか手間取る模様。隙間をこじ開けるピックと吸盤を駆使してようやくディスプレイを取り外すと、内部には大きな2つのバッテリーが見え、その中央にメイン基板がレイアウトされています。これは、これまでの iPad シリーズの部品配置とは大きく異なる点です。内部は整然としており、重量バランスにも気を配ったのか多くの部品が上下または左右対象となるように配置されています。バッテリーの横にある黒い部分はスピーカーボックス。内部には音量を増幅する効果があるのか、フォームが詰められています。

また本体上部 FaceTime HD カメラの左右には、意外にも空白のスペースが見えますが、これはモバイル通信用のアンテナやパーツが収まるスペース。この iPad Pro のモデルナンバーは A1584 で、WiFi のみのモデルであるため、つまりこの部分が空白になっているようです。

メイン基板上にはアップル A9X プロセッサーを始め、SK Hynix 製の RAM が計4GB、東芝製 NAND フラッシュストレージが計32GB、各種センサー、NFC コントローラーなどが見られます。オーディオは iPad シリーズで標準的な Cirrus Logic 製 338S1213。
  
バッテリーは接着されて入るものの、プルタブを引っ張れば粘着テープが簡単に取り外せます。これは恐らくトラブルの多いバッテリーを修理交換するときのことを考えての工夫かもしれません。合計8か所のプルタブを外せば、バッテリーは簡単に取り外せたとのこと。

バッテリー容量は 38.8Wh。iPad Air 2 に比べると40%大きくなっています。またバッテリーの下から現れた リボンケーブルは側面にある Smart Connector へと延びていました。iFixit はこれをなんとか外しましたが、すべて接着剤で固定されているうえ、Smart Connector の端子が一つ一つ別部品であるため、この部分を修理するのはかなり難しそうです。

iFixit は、バッテリーが簡単に取り外せたのは良いとしながらも、接着剤が多用されているため修理の難易度は高いと評します。特に Smart Connector とフロントパネルの頑丈な接着具合は分解修理が難しく、なかでもフロントパネルは開ける際に液晶を破損するリスクが高いこと、さらに部品のコストも高くなりそうなことを指摘していました。