「僕の中に“頑張らない恋愛”はない」 - スペース客引きゼット役の山本耕史

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 山本耕史三谷幸喜映画への出演は、最新作『ギャラクシー街道』で4本目となる。その役は、巧みな話術で男たちのスケベ心に火をつける、スペース客引きのゼットだ。山本は出演のオファーを、年に1回開催される「新選組!」(三谷監督が脚本を手掛け、香取慎吾と山本が共演した2004年の大河ドラマ)の集まりで受けたという。

 「一昨年の会で、三谷さんに『来年、香取と舞台『オーシャンズ11』をやるんですよ』と言ったら、『え! 僕が「新選組!」以来の共演をさせようと思っていたのに! だったらもう『ギャラクシー街道』に山本耕史を出すのやめる!』って言われました。その一年後、去年の会で『やっぱり耕史くんも出て。事務所にも言っておいて』って言われたので『ああ、はい』と(笑)」

 三谷組でしかあり得ないほほ笑ましい経緯を経て、『ギャラクシー街道』で香取と山本の再共演が実現した。残念ながら二人が直接絡むシーンはないが、山本にとって香取との共演は感慨深いものがあったという。

 「三谷さんが引き会わせてくれてから12年。同い年の彼とは本当に仲良くなれたし、芝居のアプローチもまったく違うからお互いに励まし合える。ここ最近、変な意味じゃないけれど、彼のことがさらに好きになっています。なぜなら、彼も僕のことを前以上に好きだから(笑)。最近は彼から『じゃあ、どっかで飯でも行きますか』って誘ってくることが珍しくないんですよ」

 香取のことを話す山本の表情は自然とほころび冗舌になっていく。山本の結婚発表後最初の「SmaSTATION!!」(香取が司会を務めるテレビ朝日の情報バラエティー番組)で、香取がお祝いのメッセージを生放送で贈るほどの関係性に至るまでには、山本の長年にわたるラブコールがある。

 「僕が彼にグイグイ攻める関係性がネタでしたけど、恋愛も夫婦もそうだと思うんです。好きな人と築きたい理想の関係があるなら、それを実現するために頑張ることが大事だなって。だから僕の中に“頑張らない恋愛”はないかな」

 三谷幸喜は脚本を書く際、役者をイメージしながらアテ書きをするという。山本のこの“口説き力”がゼットのベースになっていることは間違いないだろう。(取材・文:須永貴子)

映画『ギャラクシー街道』は10月24日より全国公開