北越vs新潟青陵

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猛打爆発!北越、毎回得点で初陣飾る

先発・佐藤琢磨(新潟青陵)

 この日から、秋の大会北支部予選2回戦がスタート。時より小雨がぱらつく不安定な天候の中、新潟市みどりと森の運動公園野球場では、北越が新潟青陵と対戦。試合は北越伝統の猛打が爆発した。

 新潟青陵の先発は、エース左腕の佐藤(1年)。佐藤は、初回先頭打者を打ち取るものの、北越2番・阿部(2年)にレフトオーバーのツーベースを運ばれると、ワイルドピッチと四球で一死一、三塁とピンチを広げてしまう。ここで北越はダブルスチールを敢行し、1点を先制。さらに4番・渡里(2年)がセンターへきっちり犠牲フライを放ち、リードを2点に広げる。その後も、2回に9番・玉木 葵(2年)のタイムリー、3回に渡里の犠牲フライ、4回にキャプテン・小玉(2年)のセーフティースクイズ(記録は内野安打)などで着実に加点。4回までに5点のリードを奪う。

 北越の先発・玉木は、序盤制球に苦しむも、中盤以降は伸びのあるストレートを武器に新潟青陵打線を翻弄。得点を許さない。

 すると北越は5回、疲れの見える佐藤を攻め、相手エラーに4安打と犠飛を絡め3点を加える。続く6回にも四球に3安打を絡め、11対0。最後は磯貝凜太郎(1年)が締め、北越がコールドゲームで緒戦を突破した。

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エキサイティングプレイヤー 玉木 葵(北越・2年・投手)

玉木 葵(北越)

「同期の(江村)伊吹や(小林)太郎は、1年のころから試合に出ていて、正直悔しさがありました。自分も早く投げたいと・・・」新チームになって最初の公式戦。その緒戦で江村や小林よりも先にまっさらなマウンドに立ったのは、北越の背番号18・玉木 葵だった。「先発は一昨日言われました。緊張以上にうれしさと、楽しみという気持ちが大きかったです」

 初回、第1球はストレート。先頭打者はバットを出し、ファールになった。「(新潟青陵打線は)初球からしっかり振ってくる印象。自分の持ち味はストレート。逆に高めのつり玉を効果的に使えればと思いました」と打者と対峙しながら頭の中で冷静に分析。自身公式戦、初登板初先発という緊張でコントロールが定まらないものの、序盤、無失点に抑える。

「序盤は緊張しました。ベンチから伊吹が、『低く目に集めろ』と声を出してくれたので、中盤以降だいぶ落ち着いて投げることができました」そう話す玉木の真骨頂は、3回一死の場面だろう。1番打者にフルカウントまで粘られたものの、最後はインサイド低めのストレート、いわゆる“インズバ”で見逃し三振を取った。

 玉木の球を受けた渡里も「序盤は、ストレートが少し浮いている印象で、バラついていました。でもうちの投手陣はみんな、要所要所でインサイドの際どいコースにズバッと突くことができるので、本当に信頼しています」と話すほど。

 結局、5回を被安打2、3奪三振、1四球、無失点でまとめ、打っても三塁打を含む2安打2打点の活躍。6回はレフトの守備についた。

「バッティングは好きですけど、たまたまです(笑)。今年は、伊吹を中心に投手力があるチーム。自分も伊吹、太郎に負けないように、チームを助けられる力になれればと思います」もともと、県の有望中学生を集める「Kボール」で県選抜に入るほどの実力の持ち主。江村、小林とともに北越のブルペンを支える頼もしい存在が、頭角を現した。

(文=高校野球ドットコム編集部)

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