日本vsキューバ

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日本5人で完封リレー。全勝で優勝決定戦へ

笑顔を見せる小笠原慎之介(東海大相模)

 既に優勝決定戦進出を決めている日本と、スーパーラウンドの成績が1勝3敗で進出ができないことが決まっているキューバの対戦。日本としては、明日の優勝決定戦に向けて、いい流れを作りたい試合だ。

 この試合日本の先発は、夏の甲子園大会の優勝投手である小笠原 慎之介。しかし小笠原は1番手の投手であり、日本はこの試合5人の投手をつぎ込んだ。

「登板間隔が開いた投手がいたので、しっかり投げて、明日は全員が投げるつもりでやっていきたい」と西谷 浩一監督が語るように、ここまで完投や長いイニングを投げる投手が多く、投手陣の運営には余裕ができていたのだが、その分投げる機会が少ない投手がいた。その点キューバは、今大会は不振とはいえ、個々の選手のレベルは高いだけに、登板機会の少ない投手には、調整と経験という二兎を追うのに格好の相手であった。

 試合は初回からキューバを攻めたてる。1回裏日本は左前安打の2番津田 翔希と四球の3番勝俣 翔貴が、キューバの先発、左腕のナハロの暴投で二、三塁に進み、5番平沢 大河が逆方向に強く打った打球が左中間を破り、2点を先制した。

 平沢は3回裏にも勝俣、清宮 幸太郎の連続安打による一死一、三塁の場面で左前安打を放ち、勝俣を還している。「(国際大会は)外が広いので、逆方向に打つことを意識しています」と平沢は語る。

 組み合わせと応援メッセージは下記リンクから!

・2015年 第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ

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先制打を放った平沢大河(仙台育英)

 3回裏には堀内 謙伍の左前安打などもあり3点を入れている。5回裏には代打の宇草 孔基が遊撃手への内野安打で出塁し、盗塁と捕手の悪送球で三塁へ。続く篠原 涼の中前安打で宇草が生還。6回裏には津田の二塁打などで1点。7回裏には堀内の三塁打、津田、勝俣の安打で2点を追加した。

 この試合日本は13安打。過去の日本は、木製バットの対応に苦しむことが多かったが、今回のチームは、非常にうまく対応している。金属バットに比べ木製バットは芯が狭いが、「木のバットこそ振り抜かないといけません。空振りしてもOKなので、当てに行ってはだめです」と西谷監督は語る。

 打つ方だけでなく、投手や守りでも、危なげがない。この日も、小笠原に続き、高橋 純平、成田 翔、高橋 樹也、森下 暢仁とつなぎ、5人で打たれた安打は4本の失点0。失策もなく、一塁の守備に入っていた勝俣がフェンス際のファールフライを好捕するなど安定している。

 優勝決定戦で対戦するアメリカには、1次ラウンド(試合レポート)では、3対0で勝っているが、ここ一番の戦闘モードに入ったアメリカは、別物である。「アメリカは力のある球を投げるので、負けないようにしたい」と語る平沢は、「積極的に攻撃したい」と語る。

「世界一になるために集まった」と語る西谷監督は、「(アメリカは)手ごわい相手。簡単には勝てないので、日本の粘りの野球をしたい」と決意を語る。

 10日間で9試合をするハードな戦いも、あと1試合。初優勝を目指し、最後の力を振り絞って戦ってほしい。

(文=大島 裕史)

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