日本vs韓国

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上野翔太郎、3安打10奪三振 日本、韓国を圧倒、決勝進出

韓国打線を相手に3安打10奪三振の快投を見せた上野 翔太郎(中京大中京)

 大会を通じての流れと言うのは恐ろしい。前日のアメリカ戦(試合レポート)の土壇場で逆転3ランを打たれ、ほぼ手中にしていた勝利を失った韓国は、それまでとは別のチームのように精彩を欠き、宿命の対決は、日本が圧勝した。

 韓国の先発は金大鉉(キム・デヒョン)。上期の高校王者を決める大会のMVPで、LGツインズに日本のドラフト1位に相当する1次指名を受けた韓国高校球界屈指の投手。西谷 浩一監督は「韓国の投手はだいたいデータがありましたが、10番(金大鉉)だけはありませんでした」と語るが、問題にしなかった。

 金大鉉自身「今日は調子が良くなかった」と試合後小さな声で語ったように、この日は球のキレが今一つ。

 2回裏、四球で出た5番平沢 大河を二塁に置いて打席に立った7番伊藤 寛士の当たりはライト線へ。これをもともと内野手である韓国の右翼手・崔元準(チェ・ウォンジュン)がクッションボールの処理を誤り三塁打に。平沢が還り1点。続く篠原 涼が右中間を破る二塁打で伊藤が生還。

 日本は攻撃の手を緩めず、9番堀内 謙伍は四球、1番杉崎 成輝は二塁ベース後方にふらふらと上がるフライ。これがテキサス安打となり、1点追加。さらに2番の津田 翔希も左中間を破る二塁打を放ち、5点目。勝負はほぼ決した。

 先発の金大鉉が崩れ、ゲームプランが崩壊した韓国は次々と投手を代えるが、ぱっとしない。4回途中からは、前日先発し崔忠然(チェ・チュンヨン)が登板。サムスンに1次指名を受けるなど、韓国高校球界を代表する好投手であるが、5回裏に3四球などで自滅。この回、崔に代わりマウンドに上がった2年生の下手投げ金彪勝(キム・ピョスン)も押し出しや、味方のエラー、自身の連続ボークもあり、この回だけで日本は6点。6回裏にも日本は1点を追加した。

 一方日本の先発の上野 翔太郎は完璧な投球をする。スライダー、ツーシーム、チェンジアップなどで緩急をつけた投球が、制球力良く決まり、韓国の打者を翻弄する。

 唯一のピンチは3回表の無死一、二塁であったが、送りバントを封じるなど、得点を許さない。終わってみれば、7回コールドながら被安打3、奪三振10の完封。「今日は大事な試合であることは分かっていました0点に抑えられて、いい流れができたと思います」と上野は語る。

 一方韓国の李鍾道(イ・ジョンド)監督は、「昨日勝てる試合を落としたショックを乗り越えることができませんでした。日本の打線は良かったです」と語り、決勝進出を逃した悔しさをにじませた。

 西谷監督が「世界一を取るためにやっています」と言っているように、重要な試合が残っている。5日のキューバ戦は優勝争いとは直接関係ないものの、決勝に向けて、いい流れを作ってほしい。

(文=大島 裕史)

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