本田がハリル監督から国際電話で言われたこととは…

写真拡大

 逆境をバネにして力を発揮し続けてきた男ならではの言葉だった。6月16日のロシアW杯アジア2次予選・シンガポール戦(0-0)から続いている4試合未勝利という日本代表の悪い流れを断ち切るべく、FW本田圭佑(ミラン)は言った。

「監督もミーティングで話していたが、このところ勝てていないことへの危機感がある。それを結果に結びつけないといけない。勝利がないというのは日本代表にとってあってはいけないこと。僕自身、結果を出すプレーをしないといけないと思っている」

 背番号4が言うまでもなく、日本はふがいない戦いを見せ続けている。シンガポール戦を皮切りに、国内組だけで臨んだ東アジア杯は2分1敗で最下位という史上最悪の結果となってしまった。

 9月3日のカンボジア戦で課せられる命題は未勝利からの脱却という単純なものだけではない。ホームで行われるW杯予選。初戦で勝ち点2を落としているだけに、何がなんでも勝ち点3を取らなければいけない試合だ。

 バヒド・ハリルホジッチ監督からは中心選手として「本田は我々のチームで非常に大事な選手になる。特にオフェンス面で違いを見せつける選手で、彼が必要になる状況はかなりあると思う。決定的な仕事をしてくれることを望んでいる」と期待を寄せられている。

 指揮官は27日のメンバー発表会見でイタリアの本田に国際電話をかけたと話していたが、本田は電話会談で「スピード感とその中での技術」を求められたことを明かし、「監督は先を見据えてそう言っている」と説明した。

 ハリルホジッチ監督が是とする「縦に速いサッカー」は、引いて守るシンガポールのような相手の場合は必ずしも有効ではないかもしれない。それは本田も分かっており、ケースバイケースで、経験のある選手がコントロールしていかなければならないと強調する。

 しかし、先を見据えているのはハリルホジッチ監督だけではない。「カンボジア戦では先を見据えた高い要求ができて勝つのが理想」と本田も言う。所属のミランでは開幕から2試合を終えてまだ39分しかプレータイムがないが、「コンディションは良い」と言い切った。中心選手として期待される本田のパフォーマンスにハリルジャパンの命運が託される。

(取材・文 矢内由美子)


●ロシアW杯アジア2次予選特集