高知南vs岡豊
高知南3番左翼手の中野 慎太郎(2年）
「8月の梼原合宿中にスライダーを狙ってホームランを打てていたので、変化球を狙っていました」1回裏二死走者なし。180センチ72キロと堂々たる体格を持つ高知南の3番・中野 慎太郎（2年・左翼手・右投右打・高知県立高知南中出身）は高校通算6号を頭に描いていた。
そして･･････。カーブにしっかり身体がたまり、下半身から最後はバットが巻きつくように中野が捉えたボールは、美しい弧を描いて100m先の左翼芝生席に到達。ここに「（旧チームからの主力）中野や飯田 裕翔（2年・捕手・177センチ83キロ・右投右打・高知市立介良中出身）、加志�� 愛斗（2年・中堅手・173センチ77キロ・右投右打・高知市立朝倉中出身）を中心に点を取れるようにしたい」酒井 粋監督の構想は早くも具現化された。
さらに2打席目は50メートル6秒2の俊足を駆り遊撃内野安打、4打席目も「夏の高知大会初戦敗退以来、ティーバッティングでもバットを内側から出すことを意識していた」強烈にピッチャーの真横を抜ける中前打で3安打。先発全員安打の高知南は先に触れた3人の他にも一塁駆け抜け4秒01、三塁打11秒74の俊足1番・中越 優誠（遊撃手・2年・右投左打・170センチ64キロ・高知市立横浜中）、岡豊では一塁駆け抜け4秒37の1番・別府 秀吾（右翼手・2年・右投右打・180センチ70キロ・高知市立青柳中出身）などの動きが光ったが、中野の動きは他の選手と比較しても「別格」だった。
「ここまでの練習試合を含めた打率は.300くらいだと思いますが、それを.400に上げて打点も意識し、秋はベスト4以上、四国大会出場を狙っていきたいです」
こう意気込む中野の言葉が実現できれば、高知南と中野 慎太郎の未来には大きな可能性が開けることになるだろう。
（文＝寺下 友徳）
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