4勝を挙げるも、防御率は5点台と苦しい投球も目立った日本ハムの有原航平 ©BASEBALLKING

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 日本ハムのドラフト1位ルーキー・有原航平が、11日に本拠地で行われた西武戦で先発登板。前回対戦で5回10安打6失点と打ち込まれた西武打線を相手にリベンジのマウンドとしたいところであったが、結果は2回5失点のプロ最短KO。前半戦最後のマウンドは苦いものとなった。

 球速は常時140キロ台の後半から150キロを超えるところを計測していた有原だったが、この日は制球が最悪。先制点をもらった直後の2回に2つの四球と安打で満塁のピンチを招くと、栗山に死球を当てて押し出し。続く浅村にはカウントを悪くした後の直球をライトスタンドへと運ばれる満塁弾を浴びた。

 結局2回は投げ抜いたものの、3回から2人目の白村が告げられて降板。その後にチームが逆転したため黒星こそ消えたものの、2回を投げて要したのが59球、被安打は2本ながら四球4つ、死球が1つで5失点という結果に終わった。

 昨年10月のドラフト会議では4球団が競合。“大学No.1投手”として鳴物入りで入団した有原は、かねてから不安を抱えていたヒジの問題で開幕一軍こそ見送られたものの、5月15日のオリックス戦で初登板・初勝利デビュー。その価値を証明してみせる。

 ところが、そこからは能力の高さは見せつけながらも失点がかさむ場面が目につき、前半戦は8試合で4勝3敗。勝ち越しは1つ作ったが、防御率は5.93という成績に終わった。

 11日のゲームでも象徴的だったのが、決して打たれているわけではないのにも関わらず、四球や死球で自らの首を締めて失点というシーン。即戦力として入団し、期待値も高いだけに、後半戦で乗り越えていかなければならない課題となる。

 有原の前半戦を振り返る上で、比較対象として挙げたくなる選手が一人いる。同じく早稲田大からドラフトで競合の末に日本ハムへと入団した“先輩”斎藤佑樹だ。

 10年のドラフトで有原と同じく4球団競合で日本ハムに入団した斎藤。4月17日のロッテ戦で初登板・初勝利のデビューを飾ると、24日の楽天戦でも勝利を収めて2連勝。好スタートを切ったが、その後は5試合で1勝2敗と苦しみながら前半戦を終えた。ちなみに、前後半を分かつオールスター戦にも出場し、2試合に登板。いずれも無失点に抑える活躍を見せている。

 後半戦は9月に4連敗を喫するなど苦しい時間もあったが、ローテーションの一角として年間19試合に登板。6勝6敗、防御率は2.69という成績を残した。

 わき腹の故障もあり、投球イニングが107回とやや少なかった点などは指摘されたものの、1年目から安定したまずまずの活躍を見せたと言える。

 有原は斎藤に勝利数こそ2差につけ、十分に射程圏に捉えているものの、内容の悪さは目につくところ。チームも現在パ・リーグ2位につけており、後半戦はもっと緊迫した場面も増えていく中で、ドラ1右腕はチャンスを得ることができるのか。そして、そのチャンスをモノにすることができるか…。

 大谷翔平に次ぐ2本目の柱となるべく、ドラ1右腕・有原航平の挑戦は続く。

有原航平

・広陵高〜早稲田大〜日本ハム(14年1位)

[今季成績]

8試(41回) 4勝3敗 防5.93

被安44 被本7 与四死20 奪三33 失点31(自責27)

斎藤佑樹

・早実高〜早稲田大〜日本ハム(10年1位)

[1年目・前半戦成績]

7試(34回) 3勝2敗 防3.18

被安35 被本3 与四死12 奪三21 失点18(自責12)

[1年目成績]

19試(107回) 6勝6敗 防2.69

被安122 被本5 与四死40 奪三62 失点41(自責32)