「アジアのサッカー選手トップ50」(5)
5月13日、『FourFourTwo』は「2015年度アジアのサッカー選手ベスト50というコラムを掲載した。
ワールドカップアジア2次予選が開幕する今月に合わせて、その全50選手をQoly編集部でアジアを担当しているKのコメントとともにご紹介していこう。
10位:アリ・マブフート(UAE)
史上初のガルフカップ+アジアカップ連続得点王に輝き、名実ともにUAE最高のストライカーとなった。
2008年のAFC U-19選手権で優勝し、2010年アジア大会で準優勝に輝いたUAE。このチームは「黄金世代」と呼ばれたが、同年代であるアリ・マブフートはその一員ではなかった。しかし、2012年のロンドン五輪に向けたチームに組み込まれると、まるでずっと共にいたかのように馴染んだ。
オマール・アブドゥラフマン、アハマド・ハリルとのトライアングルはまさに強烈。圧倒的なスピードで相手の守備を切り裂き、いとも簡単にネットを揺らす。欧州への移籍も噂される稀代の点取り屋である。
9位:本田圭佑(日本)
日本からオランダ、ロシア、そしてACミランへ。セリエAで10番を付けてプレーするという「夢ノート」の内容を現実にした。
2010年ワールドカップではカメルーン、デンマークを相手にゴールを決め、日本代表をベスト16へと導き、スーパースターとしての立場を確固たるものに。近年は代表でもクラブでも浮き沈みの激しい状況になっているが、彼の向上心が落ちることはない。
8位:マシュー・ライアン(オーストラリア)
セントラルコースト・マリナーズで若くしてAリーグにデビューし、すぐさま国内トップレベルの存在と評価を受けることになった。
2013年にベルギーへと移籍すると、欧州初年度からポジションを確固たるものにし、2年連続でジュピラー・リーグ最優秀ゴールキーパーとして表彰された。
マーク・シュウォーツァーの代表引退によって2014年ワールドカップでゴールマウスを守り、そして2015年アジアカップではチームを初の優勝に導いた。
「アジア最高のGK」と呼ばれたアリ・アル・ハブシに追いつき、そして追い越そうとしているオーストラリアの守護神はまだ23歳。世界トップレベルに上り詰める可能性も決して低くはないだろう。
7位:ナースル・アル・シャムラーニ(サウジアラビア)
スピード溢れるストライカーは、昨年32歳でAFC最優秀選手賞を獲得した。ACLだけでこれまで27ゴールを奪い、大会の歴史上最もネットを揺らしている。
これまでヤースル・アル・カフターニやナイフ・ハザージの影に隠れていたスピードスターは、ロペス・カロ政権時の代表チームで重要な存在となり、アル・ヒラルではACL準優勝を成し遂げた。
昨年の決勝戦ではマシュー・スピラノヴィッチに唾を吐いたことで8試合という長期の出場停止処分を受けるなど悪い方向でも話題を集めたが、国内では今季も12ゴールと結果を残し、ACL出場権獲得に成功している。
6位:マイル・ジェディナク(オーストラリア)
イングランドで長く活躍するオーストラリア代表のキャプテン。非常に大きな体格を生かした空中戦、激しいタックル、そして強烈なミドルシュートで後方からチームを支える。
トルコのゲンチレルビルリー、アンタルヤスポルでプレーした後、2011年にクリスタル・パレスへ移籍。2部で初年度からレギュラーを獲得してプレミアリーグ昇格を成し遂げた。非常に地味な存在ながら常にピックアップされることが、彼の実力を証明していると言えるだろう。
5位:オマール・アブドゥラフマン(UAE)
UAEの至宝と呼ばれるエンターテイナーは、サウジアラビア生まれのハドラマウト人だ。国が彼の家族に国籍を与えることを拒否したため、UAEへと去り、そして湾岸の英雄となった。
繊細な左足から繰り出される圧倒的な技術は欧州でも高い評価を得ており、マンチェスター・シティに練習参加したほか、ベンフィカやアーセナルからもオファーが舞い込んだと言われている。
フィジカル面を除けば「UAEで学ぶことはもう何もない」と言われている天才MF。アル・アインでの好待遇を捨てて欧州へ渡ることはあるのだろうか?
4位:ティム・ケイヒル(オーストラリア)
身長170cm代のヘディンガーといえば、世界でも彼くらいしかいない。全盛期はそれほど傑出した存在で、オーストラリア代表でも39得点を記録。かつてのボランチは歴史上最高の点取り屋となった。
36歳になった今季は、アメリカから中国へと活躍の場を移したものの、オーストラリア代表ではまだ重要な存在であり続けている。彼の後継者はまだ現れていない。
3位:キ・ソンヨン(韓国)
イングランド・プレミアリーグで初めてクラブ年間最優秀選手賞を獲得したアジア人となったキ・ソンヨン。鋭い縦パスを前線に供給するセンターハーフとして知られるが、今季は8ゴールを記録するなど自ら結果を残して見せた。
先日のアジアカップでもターンオーバー関係なくほとんどの試合で起用され、テクニックだけではなくスタミナと継続性をも見せつけた。ビッグクラブにも狙われる存在となった彼であるがまだ26歳。伸び代は残されている。
2位:岡崎慎司(日本)
足が遅い、上手くないと言われながら、最も点を取っているのはいつも彼である。中山雅史の系譜を継ぐ魂のストライカーは、ドイツ・ブンデスリーガでの日本人得点記録を破り、なお活躍を続けている。
日本代表が苦しんでいたこの1、2年の間にも、彼のプレーは決して落ちたことはない。走って、仕掛けて、詰めて、打って、点を取る。それがサッカーで最も重要なことだといつも再認識させてくれる選手である。
1位:ソン・フンミン(韓国)
サイドラインを得意とする純粋なスコアラーという、世界でも珍しい存在だ。DFを背負わせず、前にスペースを与えることで、彼の得点力は最大限に発揮される。
イ・ドングク以降様々な選手が使われながらも最前線の選手が固まらない韓国代表。その中でいつも得点を奪うのは彼であり、苦しい時間に救世主となってきた。しかもまだ23歳と若く、大きなステップアップも期待される。