“クラゲを練り込んだパスタ”を食べてみた

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シーフードパスタって、美味しいですよねぇ。魚介の具材やソースが、海の香りを食卓へと運んでくれるから。
ところで、パスタ自体はどうなのか。通常のものを使ってますか? いや、私の場合、そちらの方も海ヴァージョンなんです。なんと私、クラゲが練りこまれたパスタを見つけてしまいました。玉谷製麺所(山形県西村山郡)が今年の3月より発売している『クラゲ夢パスタ』が、それ!

ではまず、商品化の経緯から触れていきましょうか。ご説明いただくのは、同社取締役の玉谷貴子さん。実はこの方、クラゲの展示種類数世界一を誇る「鶴岡市立加茂水族館」(山形県鶴岡市)にて“クラゲマイスター”となり、ボランティアガイドを務めているのだそう。
「今年3月に『クラゲ世界会議』が加茂水族館で行われ、世界各国からクラゲの有識者が集まりました。その日は多くの方がお越しくださったので、皆様にクラゲのお土産をお渡ししたいと考えたんです」
玉谷さんが製麺所に勤めていたので“麺類”を、海外の方もいらっしゃるので“パスタ”を……ということで“クラゲパスタ”開発と相成りました。
「あくまでお土産としての開発で、商品化するつもりはありませんでした。ただ、これを見た館長が『水族館で売ろうよ!』と即決してくださり、その日から発売中です」(玉谷さん)
これは、興味深い。果たして、どんな食感がするのか……?

というわけで、実際に取り寄せました! どうやらこの商品、雪の結晶の形でクラゲの赤ちゃん“エフィラ”をイメージした「雪結晶」(税抜500円)と、ビゼンクラゲの足部分に似たらせん状の「フジッリ」(税抜350円)、2種類のショートパスタがある模様。そしてどちらも、高級食材である国産「ビゼンクラゲ」が使用されているようです。

じゃあまずは、「フジッリ」をカルボナーラにしていただこうと思います!

さて例によって沸騰したお湯に投入すると、現れましたよ「ビゼンクラゲ」の足部分に似たパスタが。これが茹で上がるのを見守るのですが、そのサマがどことなくチャーミング。お湯を切ると、クラゲの足のごときパスタが出現。所々に浮かぶ茶色い斑点は、練りこまれたクラゲの名残でしょうか。
ではこれをカルボナータのソースに絡め、いただきます!

……あぁ、もっちり! アリかナシかの観点で言えば、もちろんアリです。
「クラゲ自体はコリコリとしたものなのですが、パスタに練り込むとその食感はなくなります。通常の小麦粉よりモチモチした食感で、ツルッといただけるパスタです」(玉谷さん)
確かに、全くコリコリしない! 生地に馴染みきったからこそでしょう。それでいてクラゲの身が確認できるから、プレミア感がある。味的にはクリーミィなカルボナーラのソースともっちりした“クラゲパスタ”の相性は良しでした。少量で、意外とお腹が膨れるのも嬉しい。

続いて「雪結晶」の方も、試してみます。こちらは、ミートソースでいただこうかしら。先ほどと同じように茹でて、水を切ると、雪結晶がピッカピカになって反射するのが美しい。それでいて、カワイイ。だって、クラゲの赤ちゃんみたいなんだもの! そしてよく見ると、結晶の所々には点々が。これ、クラゲです。

実際にいただくと、やはりフジッリ同様モッチモチ! ショートパスタなので、このモチモチ感が物足りなさを感じさせず、満足感を与えてくれます。

「どちらにも『美味しい!』という反響をいただくのですが、特に雪結晶の方が好評です。クラゲの赤ちゃんそっくりな見た目がウケてるんでしょうね(笑)。形自体もソースに絡みやすいです」(玉谷さん)

そんなこの『クラゲ夢パスタ』は鶴岡市立加茂水族館と庄内観光物産館(山形県鶴岡市)、ならびに玉谷製麺所のオンラインショップにて購入することができます。
ちなみにオンラインショップ商品ページには、フジッリを使った「クラゲ クリーミーパスタ」や雪結晶による「クラゲパスタのフルーツカクテル」のレシピも公開されているので、これらを試してみるのもいいかも。

ぶっちゃけ、クラゲを食べたのは今回が初体験でした。ましてや、クラゲが練りこまれたパスタだなんて! 結果は、美味です。
(寺西ジャジューカ)