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ルネサス エレクトロニクスは5月12日、2015年3月期通期決算概要を発表した。売上高は前年度比5.0%減の7910億7400万円、営業利益は同54.4%増の1044億2700万円、経常利益は同79.7%増の1053億3500万円、純損益は前年度の52億9100万円の損失から823億6500万円の利益へと益転を果たした。

自動車向け事業の業績としては、車載制御分野ならびに車載情報分野ともに売り上げが増加した結果、前年度比6.4%増の3231億円となった。一方の産業機器や白物家電などに向けて半導体を提供する汎用向け事業の業績としては、産業機器や白物家電向けが伸びたものの、グループ全体で進めている事業の選択と集中などの結果、複合機などのOA機器やネットワークインフラなどのICT機器、その他汎用半導体におけるSynapticsに譲渡したルネサスエスピードライバの売り上げ減などの影響から同12.7%減の4255億円となった。

また営業損益に関しては、民生機器向けなどの売上高が減少したものの、注力分野である自動車および産業機器向け半導体が堅調に推移したことや為替レートの改善、構造改革施策の実行による利益率の改善などにより1044億円の利益を達成したという。純損益については、構造改革施策の実行などによる営業/経常損益の改善に加え、事業構造改善費用を中心とした特別損失の計上が減少したこと、事業の譲渡による特別利益の計上などにより877億円の改善を果たしたとする。

なお同社は決算の発表に併せて、同日開催の取締役会において、資本金の額の減少および資本準備金の額の減少ならびに剰余金の処分について、2015年6月に開催予定の定時株主総会に付議することを決議したと発表している。

これについて同社は、純資産額が資本金額を満たさない資本欠損の状態にあり、この状態を解消することで資本構成の是正と資本政策の柔軟性を向上させることを目的として実施するとしている。

これが実施されると、減少する資本金の額は2183億円となり、資本金は100億円に、資本準備金は1638億円の減額で0円に、その他資本剰余金は1697億円減となる2071億円にそれぞれ変更され、株主資本合計は2171億円となる見込み。これらの各種減少となった合計5517億円は、繰越利益剰余金に振り替えて、欠損を補填する計画だという。本件に関し同社では、「純資産の部」における勘定の振替処理であり、純資産に変動を生じるものではないと説明しているほか、発行済株式総数並びに1株当たりの純資産に変更を生じるものではなく、株主が所有している株式数に影響を与えるものではないとしている。