6日投開票の長野県知事選で敗れた現職の田中康夫知事は10日、代表を務める新党日本のホームページ上で、開票結果や2期6年の実績を振り返るコメントを発表した。

 「100年先を見据えて再び『脱ダム』宣言」との題で、初当選後の2001年2月に発表したダムに頼らない治水対策や、公共事業の削減など県政改革の成果を強調。今回の知事選で、岡谷市や諏訪市など大雨災害に見舞われた地域での得票率が対立候補を上回ったことを挙げ、「被災地の有権者は極めて冷静に的確に、100年先の信州の在るべき姿を捉えている」と結論づけている。

 また、コメント中には「『脱ダム宣言』を揶揄(やゆ)する護送船団・記者クラブの『報道』がなされる中」との記述もあり、一部メディアに限られた記者室の使用や知事会見への出席を一般に開放した「脱記者クラブ宣言」を掲げた田中氏の健在ぶりを伺わせた。【了】