ヤマハ、フロント2輪の3輪バイク TRICITY を国内発売。未来的デザインのシティコミューター

写真拡大

ヤマハ発動機が、3輪バイク TRICITY MW125 の国内発売を発表しました。今年4月にタイで販売を開始したTRICITY の日本仕様です。
 

 3輪バイク、またはトライクといえば多くの人が想像するのがピザの配達用バイクなどによく見られるタイプ。しかし、TRICITY はそれらとは逆の前2輪/後ろ1輪の構成です。独自開発の Leaning Multi Wheel(LMW)機構により、コーナリングでは一般的なバイクと同じ感覚で車体を傾けられ、しかも3輪の利点を活かして安定性も増すことができます。
 

 
前輪はそれぞれ独立したサスペンションを採用するため、路面の凹凸にも安定した走行が可能です。斜め方向に段差を乗り越える場合でも、少々ならば車体の姿勢を崩さずスムーズに乗り越えられます。

2輪レースの最高峰、MotoGP(ロードレース世界選手権)への参戦車両開発ノウハウを注ぎ込んだという車体の前後重量配分は50:50。重量変動の大きい燃料タンクも重心近くに配置します。エンジンには125cc の水冷4ストローク SOHC 単気筒エンジンを採用。最高出力は11PS。燃料噴射システムは吸気経路を2系統とることで燃焼効率を高めるという YMJET-FI を搭載し、専用設計の CVT による駆動でスムーズな加速が可能です。

ブレーキは前後連動の Unified Brake System(UBS)を搭載。右ブレーキレバーでは前輪のみの制動ですが、左ブレーキレバーを操作すると、後輪とともに前輪ブレーキも動作し、より穏やかに減速ができます。
 


その他の装備は液晶デジタルメーターパネル、LED のポジションランプおよびテールランプなど。シート下にはフルフェイスヘルメットが入る大容量収納スペースも備えます。

全長1905mm x 全幅735mm、車重152kg という大きさは、125cc のバイクとしては大柄な部類ですが、フロントに2本のタイヤを履いていることを考えれば、むしろコンパクトに収まっていると言えそうです。シート高さは780mm。WMTC モード燃費は38.8km/L。

発売日は9月10日。価格は税抜き33万円。

なお、TRICITY は3輪ですが、車両区分は原付二種となるのでヘルメット着用が義務付けられます。また、免許は小型限定普通二輪車免許以上が必要です。

ちなみに、TRICITY と同じ前2輪の3輪バイクとしてはイタリアの Piaggio MP3 が有名です。また、昨年11月の東京モーターショーではカワサキが出展した変形する3輪コンセプトバイク J も話題になりました。

下には、モータージャーナリスト根本健 氏によるインプレッション動画と、二輪免許を持っていない大島優子さんに TRICITY 開発プロジェクトリーダー 高野和久 氏がわかりやすく技術解説する動画の2本を用意しました。