複数の韓国メディアは7日、トヨタ自動車をはじめとする日本の自動車メーカーが、円安を追い風に販売価格を10%近く引き下げ、韓国市場の攻略に本格的に乗り出したと報じた。

 報道によると、韓国トヨタは6日、ハイブリッド車の世界累計販売台数が500万台を突破したことを記念し、5月の1カ月間限定で、すべての車種の価格を値引きすると発表した。

 トヨタの「カムリ」や「プリウス」などハイブリッド車の価格が300万ウォン(約27万円)値引きされるほか、バッテリーの補償期間も5年から10年、10万キロから20万キロにそれぞれ延長される。ガソリン車も同様の恩恵が受けられる。韓国トヨタの関係者は、「ハイブリッド車の場合、最大140万ウォン(約12万円)の自動車取得税が免税されるため合計440万ウォン(約40万円)ほど値引きされる」と説明した。

 韓国では売り上げが伸び悩んでいるホンダも、1カ月限定の値引き攻勢に乗り出した。ホンダコリアによると、韓国進出10年を記念したイベントとして、「アコード」には100万ウォン−150万ウォン(約9万円−13万円)相当のガソリン商品券を提供し、「シビックユーロ」とスポーツクーペの「CR−Z」にはそれぞれ300万ウォン、500万ウォン値引くとした。

 日本の自動車メーカーによる韓国での大幅な値引きは、ライバルの海外自動車メーカーだけでなく韓国の国産自動車メーカーにも大きな脅威となっている。

 韓国メディアは、円安で史上最大の営業利益を出している日本車が、同時多発的に以前とは比較にならないほどの大規模な値引きを展開し、国内市場に緊張をもたらしていると伝えた。

 イ・ジピョンLG経済研究院主席研究委員は、米韓自由貿易協定(FTA)による米国産日本車の輸入増加に円安効果が加わったことで、日本のメーカーが値引きを通じて攻勢をかけたと分析。「ソニーがウォークマンひとつで日本の電子製品の大衆化に寄与したように、日本車も徐々に韓国の大衆車の史上を攻略するだろう」との見方を示した。(編集担当:新川悠)