【ドイツ】ガウク大統領、新教育相に数学博士のヴァンカ氏を任命

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シャヴァン氏の辞任に伴い

ドイツのヨアヒム・ガウク大統領は、14日、ヨハンナ・ヴァンカ(Johanna Wanka)氏(CDU)を新しい教育相に任命した。シュピーゲル誌オンライン版が14日、報じた。

前任のアネッテ・シャヴァン(Annette Schavan)氏(CDU)は、1980年に提出した博士論文の盗作疑惑により、5日、デュッセルドルフ大学から博士号をはく奪され9日、大臣職を辞任した。

シャヴァン氏はメルケル首相にとって信頼のおける側近の一人であった。辞任後も、秋の総選挙に向けた選挙活動を続けるとのことだ。また、博士論文における盗用の事実を否定したうえで、博士論文はく奪の撤回を求めて司法手続きを検討していることを表明。

Image:by sludgegulper

旧東ドイツ出身のヴァンカ氏

新教育相のヴァンカ氏は、旧東ドイツのザクセン州出身で、数学博士である。2000〜2009年までブランデンブルク州の教育相で、2010年からニーダーザクセン州の教育相を務めた。

ヴァンカ氏は、ニーダーザクセン州の大学における資金不足と品質の欠如、競争力の低下を授業料徴収と対外資金調達いう方法で改善した経歴がある。

盗作疑惑と博士号はく奪

ドイツの政治家で、論文盗用疑惑で大臣を辞任したのは、シャヴァン氏が初めてではない。2011年2月、カール=テオドール・ツー・グッテンベルク(Karl-Theodor zu Guttenberg)氏(CSU)は、博士論文盗用疑惑により、バイロイト大学に博士号を返上し、国防相を辞任した。

2011年6月、シルヴァーナ・コッホ=メーリン(Silvana Koch-Mehrin)氏(FDP)も、欧州議会議員だった当時、論文盗用疑惑でハイデルベルク大学から博士号をはく奪された。

2011年7月、欧州議会議員のヨルゴ・チャツィマルカキス(Jorgo Chatzimarkakis)氏(FDP)は、インターネットで論文盗作を指摘され、ボン大学から博士号をはく奪。

2012年4月、当時、自由民主党のアドバイザーだったマルガリータ・マチオポロス(Margarita Mathiopoulos)氏(FDP)は、博士号を失った。ボン大学の決定に対し、マチオポロス氏はケルン行政裁判所に訴訟を起こしたが、昨年12月却下された。氏は控訴を表明している。

▼外部リンク

シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/

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