台風16号が沖縄、九州を襲っていた。
話は昨日にさかのぼる。
私は大阪発のフェリーで門司に着き、そのまま八代へ向かった。
しかしお目当てのプリンスリーグ九州は2試合とも中止。
わざわざ秀岳館高のグラウンドまで行き、お帰りのバスを見送ってきた…。
試合ができないほどの雨風ではなかったと思う。
ただ自然の猛威は読み切れないし、移動中のトラブルも起こり得る。
お客を入れる試合ではないから、強行する性質の試合ではない。
それは理解しつつも、悔しい無駄足であった…。

そのまま福岡市内に戻って一泊する。
雨も振っていたし、風が朝方から強くなっていた。
知人と一緒に見る予定だった大学野球はもちろん中止である。
ホテルに閉じこもって読書でもしようかな?とスポーツ観戦を諦めた。
ただ調べてみると九州大学サッカーリーグの試合が組まれている。
福岡大学サッカー部のホームページを見ると「2時間遅れ」との由。
念のため会場の福岡フットボールセンターに問い合わせる。
第1試合も2時間遅れで決行するとのことだった。
「福岡教育大×久留米大」が13時開始。
「福岡大×九州産業大」が15時半開始である。

博多バスセンターから香椎浜に向かうバスに乗る。
団地やコンテナ埠頭が立て込んだ一角にお目当ての施設があった。
ピッチ4面分のスペースがあり、現在3面が稼動している。
観客はピッチとピッチの隙間で立ち見だけど、
プレーヤーにとっては必要にして十分の施設だろう。
ただ如何せん風が強い。
台風由来の強風に加えて、遮るものの少ない海辺という条件もある。
風速が15〜20mくらいあったと思う。
千葉マリンで風速13mの試合を見たことがあるけれど、それより強かった(笑)

九州大学リーグは10チーム2回戦制。
福岡教育大は前期を終えて勝点19の4位。
国立の単科大で、森田浩史ら多数のJリーガーを輩出している。
町田のスタッフ大前博行さんもここのサッカー部OBだ。
久留米大は勝点6の9位につけている。
こちらは知っている選手がいない。

福岡教育大学
GK  1 江藤大輔  4年 175/65 大津
DF  4 古垣秀晃  3年 180/70 大津
    3 上村誠   3年 175/65 佐賀東
    2 小石哲也  3年 180/71 滝川第二
   19 前田翔   4年 171/65 国泰寺
MF  5 吉川祐馬  4年 178/75 高取国際
    9 郄根祥宏  4年 170/63 九州国際大附属
   10 中原秀人  4年 170/63 佐賀東
    8 迫屋諒   3年 170/66 鹿児島実業
FW 13 前田健志郎 3年 173/60 宇部
   24 川口裕士  1年 172/66 大濠

−−−−川口−−−−前田−−−−
−−迫屋−−−−−−−−中原−−
−−−−−郄根−−吉川−−−−−
−前田−−小石−−上村−−古垣−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−江藤−−−−−−−

久留米大
GK 21 谷口優斗  2年 186/77 鹿児島実業
DF  2 原田図夢  3年 168/65 松陽
   22 川本雄介  4年 177/65 松陽
    3 財木佑太  3年 170/57 佐賀東
   25 林田大樹  1年 166/60 国見
MF 29 原田大地  4年 173/62 東福岡
    8 猪下悠也  3年 170/60 大分鶴崎
   14 倉山竜成  2年 174/65 鵬翔
    7 大塚章寛  3年 165/55 大分鶴崎
   20 田代智也  4年 165/56 松陽
FW  6 美間卓也  3年 172/65 福翔

−−−−−−−美間−−−−−−−
−−田代−−−大塚−−−倉山−−
−−−−−猪下−−原田−−−−−
−林田−−財木−−川本−−原田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−谷口−−−−−−−


前半はコイントスに勝った久留米が風上を取った。

4分、久留米は美間卓也が右サイドからドリブル。
タッチライン際から40m程のロングシュートを狙う。
グーンと伸びて枠を捉えたけれど、GK江藤大輔がパンチして上。

11分、久留米は猪下悠也がパスカットからドリブルで持ち上がる。
猪下は右足のアウトで上手く中のパスコースを通す。
美間卓也は1対1の決定機だったけれどGK江藤大輔がブロックして枠外。

福教大のGK江藤大輔のプレーには驚いた。
パスコースを作る意図が強く、頻繁にハーフライン付近まで出る。
この風だからロングシュートを警戒する必要もある。
それでもパスを受けに行くことを止めない。
もちろん戻るべき時はしっかり戻っていた。
江藤と柏U-18の中村航輔、野洲の山田真也…。
これが私の認定する「日本三大位置取りの高いGK」だ(笑)

福教大はGKの動きを見ても分かるように、徹底したポゼションサッカーだ。
両CBはショートパスだけでなく、一つ飛ばしたパスもきっちり通す。
左利きボランチの吉川祐馬も外に展開して、前を向いた味方を上手く使う。
ボールが集まってていたのは主将の中原秀人だ。
左右両足でボールを扱えて、ミスが少ない。
運動量が抱負で、いかにも賢い動きをする。
最初は誰だか知らずに見ていたけれど、
「コイツが中心だな」というのは開始3分で分かった。
北九州の特別指定だし、町田戦でもプレーしていた子じゃないか(笑)
江藤、中原、上村は佐賀東のOBですね。
今思えば赤崎秀平もいたし、かなりのタレント軍団だった。

13分、久留米は倉山竜成に警告。
37分、久留米は林田大樹に警告。

福岡教育大が風へ慣れ、ボールを落ち着かせ始めていた。
とはいえ前半はこれという決定機を作れず、無得点に終わる。

後半は福岡教育大が試合を更に支配する。
セットプレーで何度か「もう一歩」という場面があった。
試合が大きく動いたのは68分。
久留米大の大塚章寛が「乱暴な行為」で一発退場になる。
遠目にはそれほど危険なプレーじゃなかった。
スパイクの裏が相手の足に入ったのかな?

72分、久留米は田代智也→久保昂星。
75分、福教大は吉川祐馬→守永直人。

76分、福教大は中原秀人が右サイドに展開。
前田健志郎は勢いよく抜け出して中に折り返す。
迫屋諒がニアからボレーを合わせる。
これを防ごうとDFがボールをブロックして記録はオウンゴール。
<福岡教育大 1−0 久留米大>

迫屋諒はパスサッカーの中で、アクセントになっていた。
背は低いけれど上半身が逞しく、パワフルにゴリゴリ仕掛けられる。
動きに切れがあり、しかも当たり負けない。

77分、福教大は前田健志郎→長谷典久。
布陣がこう↓
−−−−迫屋−−−−川口−−−−
−−郄根−−−−−−−−長谷−−
−−−−−守永−−中原−−−−−
−前田−−小石−−上村−−古垣−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−江藤−−−−−−−


82分、久留米大は原田大地に警告。
83分、久留米は倉山竜成→浅山武志。
布陣がこう↓
−−−−−−−浅山−−−−−−−
−−久保−−−−−−−−美馬−−
−−−−−猪下−−原田−−−−−
−林田−−財木−−川本−−原田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−谷口−−−−−−−


84分、久留米は川本雄介に警告。

94分、福教大は郄根祥宏、迫屋諒が左からつなぐ。
中原秀人はルックアップして右足ミドルを放つが左ポスト。

福岡教育大は試合を支配しつつ追加点を挙げられずタイムアップ。
強風にパスサッカーが封じられ、一人少ない久留米大の粘りもあった。
とはいえ荒天の難ゲームで勝点3を取れたのは大きいでしょう。