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2012年に公開を控える新作映画の中で、MOVIE ENTER編集部オススメの作品を紹介する「2012年先取り映画」。今回は“ドラマのサイトー”がお届けします。2012年のオススメ映画は? と聞かれたら、まず『ドライヴ』を紹介することに決めています。オススメポイントは多々あるのですが、一番の見どころは、奥手な男が初めて自分の気持ちを表した瞬間の美しさでしょう。

ドライヴ』(3月31日公開)

昼はハリウッドのスタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手(ライアン・ゴズリング)。その天才的なドライビングテクニックゆえに、孤独に生きる“ドライバー”がめぐり逢った生涯ただ一度の恋。愛する人を守るため、男は裏社会を相手に最後の闘いを仕掛けていく――というあらすじ。

本名すら分からない謎だらけの主人公

主人公は「ドライバー」と呼ばれ、本名は不明。ただ、運転技術は超一流で、警察でさえ彼の車に追いつくことはできません。どこで運転技術を磨いたのか、なぜ強盗の逃走を請け負うようになったのか等の過去の経歴も一切不明。謎だらけの男は、プロフェッショナルな仕事ぶりを見せる反面、寡黙でナイーブな性格の持ち主(ここが魅力的!)でもあります。

孤独な生活を送っていたドライバーが、ある日、近所に住むアイリーンに出会い、好意を抱きます。彼女の息子とも仲良くなり、不器用ながら、ドライブデートを重ねるようになりますが、アイリーンの夫が刑務所から出てくることで、事態が暗転していきます。彼女の夫が裏社会の人間に借金を作っていたのです。ドライバーは、アイリーンとその夫(ここが切ない!)、息子を守るため、裏社会を相手にすることを決意します。

ドキドキを加速する長ーーい「間」

ドライバーは多くを語りません。セリフとセリフの「間」が、通常の映画と比べて1秒ほど長いのではないかと思います。その分、表情や仕草で会話を重ねます。特にアイリーンと会話しているときは、ゆったりとした幸せな時間が流れます。その後に続く、裏社会との激しい死闘とのコントラストに目まいがするほどです。語らないが故に、時計が時を刻む音や、主人公の息づかいが際立ち、クライムシーンの緊張感を増幅させます。

監督を務めたニコラス・ウィンディング・レフンは、この美しい作品で2011年カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しました。米国の辛口映画サイト「Rotten Tomatoes」でも満足度93%(2011年12月28日現在)という高評価を叩きだしているのも納得の内容です。

ぜひ、映画好きの友人と観に行って、映画談義に花を咲かせてほしいです!

『ドライヴ』公式サイト
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編集部的映画批評

ドラマのサイト―の総評

【見どころ】奥手な男が初めて自分の気持ちを表した瞬間の美しさ
【こんな人に観て欲しい】映画が大好きな人(ぜひ友人と!)
【おすすめ度】★★★★★★

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