プリースト
 15世紀にルーマニアのトランシルバニアに実在したヴラド・ツェペシュをモデルにした『ドラキュラ』など、現在もなお世界各地で伝承されるヴァンパイアの存在。人智を超えた能力を備え、鋭い牙で生命の根源とも言われる血を吸い、太陽の光を嫌う等と言われるヴァンパイアは、21世紀の現代になっても絶えること無く語り継がれ、これまでにも多数の映画作品が製作されるなど、世の中の人々を魅了し続けている。そして、2011年9月23日、核兵器により荒廃した世界を舞台に、人類とヴァンパイアの壮絶な戦いを描いた映画『プリースト』が新たに3Dで登場する。

人類史上最強、戦う聖職者「プリースト

 物語は、人類とヴァンパイアによる永年の戦いの後、荒廃した世界での出来事。ヴァンパイアとの何世紀にも渡る壮絶な戦いを経て、人類は高い防壁で覆われた都市で暮らしていた。ヴァンパイアとの戦いに勝利し、生き残った“伝説の戦士”プリーストはある日、死に絶えたと思われていたヴァンパイアによって兄家族が襲われ、姪が連れ去られたことを知る。今まさに、人類 VS ヴァンパイア、種族の存亡を賭けた新たな戦争が始まろうとしていた―。

 プリーストとは、現実世界の聖職者とは異なり、人類とヴァンパイアとの永年に渡る戦いの中で、時の権力者となった修道会によって、ヴァンパイアの脅威に立ち向かうために訓練された特殊部隊のこと。荒涼とした平原をスーパースピードのバイクで駆り、超人的な戦闘能力と、聖書に隠されたハイパーリアルな武器の数々を操る。演じるのは、本作を手掛けるスコット・スチュワート監督のデビュー作品『レギオン』(2010年公開)で主演を務め、『ダ・ヴィンチ・コード』(2006年公開)の暗殺者シラス役などで知られる、イギリスの演技派ポール・ベタニーである。

十字架の刺青は、罪の象徴

 ヴァンパイアから世界を守るために生涯を捧げ、家族から引き離され、恋愛することも許されないプリースト。戦争のために家族や自分の人格を犠牲にし、もはや自分の名前すらない。しかし、崇高な大義のためと信じた戦争から打ちのめされて帰ってくると、社会は彼らを置き去りにして先に進んでしまっていた。凱旋し英雄として歓迎されることはなく、のけ者扱いされる彼らは一体、何のために戦ってきたのだろうか。ひたいの十字架のタトゥーはプリーストである証しだが、終戦後の今、勝利の象徴であったはずのタトゥーは、人類の戦争の罪の象徴となってしまった。

武器は銃ではなく、聖書と祈り

 ヴァンパイアに対抗するプリーストは、銃を使わず、普通の人間の能力の限界を超えて、祈ることで周りの動きを遅くすることができる。武器は、聖書の中に隠された何十もの小さな十字架状の飛び道具。その他にも非常に美しい二枚刃の銀のナイフなどを持っている。また、修道会の命に背いて街を離れたプリーストの後を追うプリーステスを演じるのは、『M:i:III』や『ダイハード4.0』などでも活躍するアクションスター、マギーQ。プリーステスの武器は、古代中国武術で使われた縄(じょう)ひょうという武器を元にしたロープダートで、一見ロザリオのように見えるが、実は非常に鋭いワイヤーで敵をズタズタに切り裂く。

ヴァンパイアは、決してロマンチックな存在ではない

 対するヴァンパイアも、従来のフィクションで描かれてきた昔ながらのゴシック調、あるいはロマンチックなヴァンパイアとは大きく異なり、湿り気を帯びて透き通るような白い肌に、鋭い爪と犬歯をもち、人間よりも動物に近い。太陽にあたることなく生きてきたヴァンパイアたちは、人間のような姿はしているが、両目が無いという異形振り。視覚がないことを補うために、聴覚と嗅覚が異常に発達しており、変則的かつ人間よりもずっと素早く移動することができる。また、ヴァンパイアに噛みつかれた人間は、病的なほど青白い顔をした無毛のクリーチャー“ファミリア(用務員)”となり、ヴァンパイアたちが眠っている日中、主人であるヴァンパイアに言いつけられた用事をこなす。

 韓国出身のヒョン・ミンウ原作の同名コミックをベースに、目を見張る3Dで映像化。ヨーロッパのゴシック、アメリカのウエスタンとコミック、アジアのファイティング・スタイル、世界の様々で雑種のエンタテインメント・カルチャーを融合させた『プリースト』から、新たなヒーローが誕生。9月23日、人類史上最強、究極のヴァンパイア・ハンターが遂に解禁!

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